◇四廻淫達◇
□水曜日
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定春が理事長室前まで来て歩みを止めた。
深い溜息をしネクタイを締め直し、ノックする
…と部屋の中から返事がし、扉を開いた。
「…」
私の椅子に座り、優雅に外を見物している…彼が目に入る
「…今日もご覧になっていたんですか?」
暫しの沈黙の後、彼は視線を外から定春に移す…
「全部は見てない…そんな趣味無いし、人を変態みたいに言うの辞めてくれません?」
瞳孔が開ききった目を定春に向ける。
「…で、どうです?満足しましたか?」
楽しそうに目を細め、彼に問う。
「その質問何度答えればいいんでしょうか。」
また溜息をついた…
「クス…」
その様子を見て彼は冷笑する。
「今日も良い映像が撮れましたよ。理事長先生のおかげです(笑)」
先程の冷笑とはうって変わって嬉しそうに定春に言う。
「きっと良い値段で売れますよ★」
…彼の名は土方十四郎…
3ーZの生徒であり優等生。
風紀委員の一員でもある。
…これは表の顔。
裏では定春に男を当てがい、その様子を撮影し物好きな親父共に高額で売りつけ金儲けをする。
…それが
彼のもう一つの顔。
定春と土方の出会いは数ヵ月前になる………