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□帰還
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日『何もそんなに深く考える必要はない。』
アイ『……』
日『今まで通りに接して、都奈を護ってくれればそれでいいから‥な?』
緊張をほぐすように言うと、やっとアイクが頷いた。
その頭をかき混ぜるように撫で、ドアへと歩いていく日番谷。
アイ『日番谷さん…?』
日『都奈を呼び戻して来る。』
少し待ってろ。と言いおき、ドアの向こうに消えた。
アイ『……』
ベッドに身を倒し、昨夜の事を思い返す。
アイ『…都奈。』
ツ『‥どうしたの?』
アイ『…!』
無意識に名前を呼ぶと、いつの間にか戻って来た都奈が顔を覗き込んで来た。
アイ『いや…ただ呼んだだけだ。』
ツ『そうなの?』
アイ『ああ…』
飛び込むように抱き付いてきた都奈を抱き留め、髪を梳く。
アイ『……』
サラサラとしたハニーブラウンの髪が、指の間を滑っていった。
ツ『アイク…』
アイ『どうした‥?』
ツ『ううん…何でもないよ。』
幸せそうな表情で名前を呼んできた都奈の額に唇を寄せる。
ツ『!!』
驚いて頬を真っ赤にする都奈は、すごく可愛らしかった。
アイ『…可愛い。』
ツ『もう…』
アイ『……』