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□帰還
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『…!』

その後、数時間城内が蜂の巣をつついたような騒ぎになったのは言うまでもなかった。

……

ツ『アイク…』

アイ『‥どうした?』

メイドが慌ただしく用意していった紅茶に口も付けず、都奈はアイクにもたれかかっていた。

ツ『好き…好きだよ。』

アイ『ああ…俺もだ。』

安心したように満面の笑顔を見せてくれる都奈。

ツ『本当はね?少し、不安だったの。ちゃんと、来てくれるかなって…』

それでなくても、一年は長くて。胸が張り裂けそうで…切なくて。

ツ『怖かったの…』

アイ『ああ…。』

都奈が体の向きを変えて正面から抱き付いてきた。

ツ『大好き…』

上目遣いで見上げてくる都奈を強く抱き締めて、優しく唇を重ねた。

ツ『ぅん…ふぁ、ん……』

アイ『ん…』

角度を変え、徐々に口付けを深くしていく。

ツ『んぁ…ぁん、あ…んん…』

俺の上衣を握り締め、頬を紅潮させている都奈。

唇の形を確かめるように舌でなぞり、チロチロと舌を動かす。

ツ『んぁあ…ぁ…ぁあ…ぁふ、』

チュク…

都奈が微かに唇を開き、その隙間から舌を入れた。

ツ『んんぅ…ぁう、はぁ、ん…』

クチャ、クチュ…

歯列を辿り、舌を絡め…都奈が時折洩らす甘い声を堪能する。

ツ『んぁ…ぁ、あ…ふぁあ‥んん!』

飲み込みきれなかった唾液が都奈の唇の端を伝い、シーツにポタポタと落ちる。

ツ『んぁあ…!ふぁ、んっ‥んん〜!』

アイ『む……っは、』

チュッ‥


静かに唇を離して、間に伸びた銀の糸を絡め取る。

ツ『ん‥はぁ、はぁ…』

大きな琥珀色の瞳を熱で潤ませて、上目遣いで見てきた都奈に、自分の中の何かが焼き切れるのが分かった。
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