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□帰還
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そして深夜‥
『姫様…姫様…』
ツ『ぅ、ん…どうしたの?』
眠っていた都奈はメイドに揺り起こされ、目をこすりながら起き上がった。
『姫様に、お客様が見えておりますが…』
ツ『‥ぇ?』
『なんでも、約束だとか‥』
『約束』という単語に期待してはいけないと思いつつも、ドキリと胸が高鳴る。
『青い髪に青い瞳の、男性ですが…どうなさいますか?』
来客の容姿を聞いた途端、夜着の上に厚掛けのガウンを適当に纏い、部屋を飛び出した。
『姫様!?』
ツ『はぁ、はぁ…』
全速力で走って玄関ホールまで辿り着くと、見覚えのある男性が警備兵とすったもんだしていた。
その警備兵の横をすり抜け、男性…アイクに力いっぱい抱き付く。
アイ『!都奈…』
思わずよろめきかけたが何とか堪え、都奈の頭を撫でる。
ツ『本当に、来てくれた…』
アイ『約束、だろう?』
嬉しそうに笑い、胸元に顔を埋めてくる都奈。
警備兵を始め、メイドや臣下がポカンとする。
『あ、あの‥姫様?そちらの方はお知り合いですか?』
ツ『私の、一番大切な人。』