ちとくら


□好きなのよ
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俺はあいつのどこが好きなんやろう。

(……わからん)

最近、ちゅーか千歳に告白されてから、よく考える。

(いや、うん、俺も好きやねんけど)

なぁ、どないすればええ?






「知らんわッ」

謙也が今日のお弁当(メロンパン)を机に叩きつけていた。ちょ、俺のあんぱん…。
昼休み、謙也といつものように向かい合ってお昼ごはん。
くっ…俺が切実な悩みを打ち明けたっちゅーのに…

「酷い…お母さん泣いてまう」
「誰がオカンや、この絶頂男」

バリっと袋を開けて、メロンパンを一口食べる。
あ、美味い。

「ちょっ、俺のメロンパンんんんんn」
「なぁー、お前、あいつんこと好き?」
「お前よりな! 今俺ん中で順位入れ替わったわ!」
「えっお前俺んこと…」
「あぁもう何なん自分めっちゃメンドイ!!」

ごっつ怒られた。なんでや。







「ふむ。つまり?」
「俺は千歳のどこが好きなんか教えてくれ」
「むしろ俺が聞きたいんやけど?」

ちっ、役に立たん奴やな…。
ユウジにでも聞いてくるか。

「ちょお待ちやヲイ」
「何や、もうアンタなんか知らんわっ」
「そのおかん設定いつまで引っ張るん!?」

なんやメンドイやっちゃな…もうええ。
あんぱんを口に押し込んで、席を立つ。

「お前大丈夫か? 健康に悪いから一気食いはやめぇって自分で言うとったやんか」
「そんなん気にしとるやなんて、ちっさい男やな」
「お前がな!? 俺むしろ一気食い推奨派ですけど!?」
「まったく、謙也はせっかちやな…」
「そうですねェー! もうええわッ!」

謙也がごっつ息切らしてた。アホちゃうんかあいつ?

「なんか楽しそうったい、何ばしよっと?」
「あ、ちーっす千歳」
「ふつうにあいさつとかおまえあばばばば」
「いや、落ち着けや白石」

 いきなり出てこられたらそらびっくりするわ!

「あ…俺に会いとうなかったと?」
「えっ」
「すまんばい…たまには学校ば来んと、白石に忘れられるんやなかかと思ったばってん…」
「千歳…! そんなわけあらへんやろ! 会いたかったでー!!」



「え、何なんこいつら、俺めっちゃ置いてきぼりやん。え、え?」













話題の結論はどこいったっちゅー話や!/^p^\











「ていうか俺のメロンパンんんんん!!」
「あ、すまん謙也、あんまり美味かったもんやから食ってしもた☆」
「財前助けて! 俺に昼飯恵んで!!」



■好きなのよ■

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