番外編

□紫原と甘い夜
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「えりちんー、魔法やって魔法ー!」

「んー?いいよ」


むっくんに懐かれて、ついでに氷室さんまでベタベタしてくるようになって、体育館で待機してる時もむっくんと氷室さんは離れてくれない。

今もむっくんの胡座の上に座って魔法を強請られた。まだお菓子はあるから全然いいんだけど!


「アツシはね、まいう棒が好きなんだよ」


まいう棒とはなんだろう?

うまい棒なら知ってるし持ってるけれども、石なんちゃらの言葉じゃないか、まいう〜〜。


「そのまいう棒を出しましょうー」

「やった〜〜」

「ほい!」


人差し指をくるんと回して握りこぶしの中からまいう棒(うまい棒)を取り出す。

はい、と言って手渡すとむっくんは目を輝かせてむしゃむしゃと食べて袋をゴミに捨てたのであれがまいう棒じゃなくてうまい棒だってことはバレなかった。


「えりちんってホントに魔女なの?」

「人間だけど魔法が使えるんだよー」

「へぇ〜〜じゃあ他の人間と身体の作りとか違うのかな〜〜?どう思う?室ちん」

「そうだね、見てみればいいんじゃない?」

「そっか〜〜」


今、なんと。


「じゃあ、えりちん。ばんざーい」

「えりなちゃん、ばんざい?」

「What?!」


何を言ってるんだい?!


「ちょっと、まっ…!きゃ!」


ばんざいする前にセーラー服を脱がされてしまって薄いキャミソール一枚になった。

みんないるのに…!!!


「普通の身体だねぇ〜」

「細過ぎずいい肉付きだし、綺麗な身体をしているね。」

「ね〜〜、すべすべ!」

「ひ、う…!」


私をイケメン2人が挟んで上半身をベタベタと触って来る。微妙に手が冷たくてビクビクと震えてしまう。


「んー?普通の肌かもー」

「俺も触ろうかな」


後ろから氷室さんが腰を触ったりお腹を触ったりと…。その手つきが異常なくらいエロく感じさせられて時折ビクンと震えてしまっていた。


「ふふ、感じてるの?」

「ち、が…!」

「そっか。アツシ、彼女とのキスも人間と一緒か確認してみようよ」

「そうだね、えりちん、ちゅ〜」

「ん…!」


両手で顔を固定されてそのままキスされて、無理矢理舌まで入れられた。


「ひ、むろ…さ…んん…」

「ちょっと、俺とキスしてんのに室ちんの名前呼ぶとかあり得ねーんだけど」

「んんっ…ふ…」


氷室さんに助けを求めようと思ったのにそれがむっくんを怒らせることになってしまってもっと奥まで舌を入れられて好き勝手に暴れられる。

口の端から唾液が伝う。


「あーあ…アツシったら」

「あ、室ちんズルい」

「んん…!」


それを舐めとったのは氷室さん。

ゆっくりと口を離したむっくんは軽く氷室さんを睨んだ。


「次は俺とキスしようよ、えりなちゃん」

「へ…」

「ダメダメ〜、えりちんとキスしていいのは俺だけ。」

「へぇ…」

「えりちんは俺のだから」

「むっくん…?」


ぎゅうっと苦しいくらいに抱きしめてくると、耳元で


「ごめん、口実。こうでもしないとえりちんに触れられないと思った…。えりちん…好き」

「むっくん…」

「…俺じゃなくて室ちんが好き?」


少し離れて大きな手で頬を撫でる。凄く不安そうな顔をしてて、苦しくなった。


「ううん、私もむっくんが好きだよ」

「……よかった」


へにゃりと笑ってくれてもう一回優しく抱きしめてくれた。


「もう一回ちゅーしよ?」

「うん」





大きな身体にずっと包まれていたいと思うなんて────






紫原と甘い夜
(アツシのやつ、やっと素直になったか)

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