番外編
□青峰に守ってもらう
1ページ/1ページ
「あ、青峰くん?」
「あ?」
「青峰お前!!何盛ってんだよ!!!」
「怒るなら目を背けないで助けて貰っていいですかね!笠松さん!!」
今の状況は一言で言うと、押し倒されてます。
笠松さんと青峰くんとで探索していたら、バケモノに追われて逃げて、近くの教室に籠城した。
あれ…どこに…押し倒される要素があったんだろう。
わからないけれど、笠松さんが極度の女性が苦手なのはわかって、助けてくれなさそうだ。
「脱げ」
「え?」
「はぁ?!青峰お前っ…!」
脱げ?何を?
だから怒るなら助けてくださいよ、笠松さん。
「靴と靴下脱げ」
「は?いやいや、どんなせいへk────」
「ぶん殴るぞ」
「あ、はい、ごめんなさい、脱ぎます」
青峰くん怖い。ぶん殴るって…ぶん殴るって!!
「…はい、脱いだ」
大人しく靴下まで脱ぐと、足首を握られた。
「いっ…!」
「馬鹿じゃねぇの…こんなに足腫らしやがって…」
「え…」
「何もしてねぇお前が俺たちと走れるわけねぇだろ…!」
凄く怒ってるようで、私の顔面スレスレを殴る。
「……ご、めん…」
「走れねぇなら俺に頼れよ…」
そう言って腫れている足首にちゅっと軽く口付ける。
右足だけ挫いたんだっけ…
「…大丈夫だ…」
「んっ…ちょ、っと…」
何度も何度も口付けて行く、くすぐったい…
「俺が、守る……」
「あ、おみね…くん……」
真剣な表情でそう言うと最後にペロッと舐めてヒョイっと私をお姫様抱っこをした。
「え、あのっ…歩ける!」
「馬鹿か!足腫れてんだぞ!!ちったぁ考えろ!!」
「…ごめんなさい」
青峰くん怖いまじで怖い。
そのまま笠松さんのところへ行けば笠松さんは顔を真っ赤にしていた。うぶ過ぎてもなんなの。
「このまま体育館に戻る」
「…いいのか?」
「ああ、こんな奴ボール持ってるのと変わんねぇよ」
いや、それは無理があると思うよ。40kgオーバーですからね、ボール40kgもないでしょう。
「……大人しくしてろよ」
「は、はぁ…」
教室を飛び出し体育館に向かって走り抜ける。
「来やがった…!」
『見付ケた…ァ…!!』
何処から現れたのかわからないけれど直視出来ないくらい気持ち悪いバケモノが後ろから追ってくる。
「ちっ…速ぇな…」
「どうする、青峰…!」
「ちょっとこいつ持ってろ、落としたらぶっ殺すからな」
「は?!あ、おい!!」
「うえ…?!」
女の子苦手な笠松さんに私を手渡してバケモノと対峙する青峰くん。
「まっ、て!何を…!!」
「うるせぇな」
笠松さんは私を落としはしないけどこれでもかってくらい顔が赤くなってる。
そんな私たちを他所に青峰くんは逃げることなく庇うように私たちの前に立って相手を見据える。
『シねェェえエェェ…!!!!』
腕を鎌のような形にして青峰くんに斬りかかる、
「青峰くん…!!!」
パシッ
「おい、こいつに怪我させやがって…覚悟は出来てンだろうなァ…」
斬りかかってきた腕を取る。
そのまま…
バキッ
『ッギャアアアァ…!!』
腕を引き千切った。
「死ぬのはテメェだ」
そのまま鎌になってる腕を振りかざして、相手を真っ二つにした。
バケモノは何も言わず消えて行った。
「……あ、おみね…くん…」
「……怖かったな」
笠松さんから私を受け取るとそのままぎゅっと抱きしめてくれた。
「ほ、んとっ…だよ…!青峰くん死んじゃうかと思った…!」
「はぁ?俺を誰だと思ってんだよ、死ぬか」
「あ、おみねっくん…」
「だから…泣くな、俺は生きてる」
そう言って目元に口付けてくれた所からたくさんの愛を感じた。
青峰に守ってもらう
(好き、まだ言えねぇけど…)