Mr.Wonder

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「俺、日焼けとかまじやめてほしいンスよn──いっでええええ!!」

「黙って中学生は中学生らしく海で遊べぇえええええ!!!」

「わー今日もえりちん絶好調だね〜〜綺麗なドロップキック」


今日から修学旅行 in 沖縄

海に来たのはいいけど涼太が日焼けしたくな〜いとかわけわかんない事言い出したので後ろからドロップキックキメて海に突き入れた。

勿論手にはショーゴくんを持ちながら。仲良く海に入れてあげた(投げてあげた)。


「えりなは色気の『い』の字もねぇな」

「大輝死ぬか」

「トカゲ持ってくんのやめろ、ソレよく切れるんだろ?!」

「これはヒトデだ馬鹿者!!!そんでもってよく切れるのはサンゴだ!!!!」


どうしてこんなに馬鹿なんだろう。そんな風に育てた覚えはないんだけどなぁ…


「でも本当えりちんなんでそんな格好?」


そんな格好ってのはスキューバダイビングの格好。


「なんでって、スキューバダイビングするから」

「は?!」

「赤司くんも行くでしょー?」

「そうだね、折角いい天気だから行くよ」

「お前ら免許は持っているのか?」

「本当は15歳からだが特殊な方法で取ったよ、真太郎」

「持ってるー赤司くんに頼んだー」

「お前ら……!!」

「金で物言わせてる感すげぇな……」


本当はその前から持っていたけどこっちでは使えないなーって思って諦めてたんだよね。

でも赤司くんがいきなりこんなに綺麗な海ならスキューバダイビングしなきゃ勿体無いって言い出したんだよね。

最近の赤司くんって…


「えりな。予約の時間だ、そろそろ行こうか」

「はーい。じゃーね、アンタたちは仲良く泳いでおくこと!!」


参加するのは私と赤司くんのみで、小さいけど綺麗な船に乗って沖まで出る。

やっぱ人が多い海岸付近より沖の方が綺麗だなぁ。


「ねぇえりな」


赤司くんは修学旅行に来て少し「俺」っぽくなっていた。もしかしたら修学旅行くらいみんなと遊びたかったのかもしれない。


「何?」

「言い訳は思いついたかい?」

「…言い訳するつもりなんてない。赤司くんが思ってる事が全てだよ。お先。」


酸素ボンベの用意をし装着すれば赤司くんから離れるように海の中へと入った。

ゼリーの中を泳いでるような気分になる程青くキラキラ輝いている海の中。カラフルな魚たちに赤く輝くサンゴ、優雅に泳ぐウミガメ。それらと触れ合う穏やかな表情の赤司くん、いや、征ちゃんかもしれない。


『お前は僕たちとは違う時間の流れを持っているね。何処から来た。何者だ。本当の年齢は。』


スキューバダイビングしなきゃ勿体無いって話をしていた時にこんなことを言われた。質問が多かったからスキューバダイビングのライセンスを見せることで答えとしたら、こっちの世界でも使えるライセンスに変えてくれた。ドラえ◯んか。


『何をしている!』

『え』


ボーッと赤司くんを見ていたらいきなり腕を引かれて腕の中に閉じ込められた。

機材のお陰で声はギリギリ聞こえる。


『沖縄の海は猛毒を持ってる魚が多いのは知っているだろう。気をつけろ』

『ご、めん』


海は危険なんだからボーッとしちゃいけないよね。ダメだ。

水中カメラでこっそりと赤司くんを撮ったり、みんなに見せようと思って魚を撮ったり最後にツーショット撮ってすぐに船に戻った。


「あ、えりなっちー!赤司っちー!」

「涼太!」


船着場に着けばみんなが迎えに来てくれていた。涼太は少し日焼けしているから多分怒られるだろうね、マネージャーさんに。

もうご飯だからと言われてホテルに戻れば涼太に貝殻もらったりホテルのお土産屋さんで買い物したりした後はさつきちゃんと同じ部屋で女子会してからすぐに寝た。


「美ら海水族館と」

「首里城とー?」

「紅芋タルト工場見学〜〜〜」


を堪能して2日目は終わり、3日目は自由行動で買い物を終えたら東京に戻って修学旅行は終わった。


「えりなっち」

「涼太」

「今回いーっぱい写真撮ったから今日LINEで送るッス。それ虹村さんに見せてあげてよ」

「うん、ありがと」

「ねぇ」

「んー?」

「これで修学旅行終わるの寂しくないッスか?」

「そりゃあね」

「じゃあ」

「じゃあ〜〜〜えりちんの家に全員で泊まろ〜〜荷物を家に置いたらえりちんの家に集合ね〜」

「わああああ!さんせーい!青峰くん!早く帰ろ!」

「おー」

「赤司はどうするのだよ」

「…参加するよ」

「なら俺も参加しよう」

「ショーゴくんも来るッスよね」

「ああ」

「じゃ、そういうことで!」




私が心配してるよりこいつら、仲良いかも。




「待ってる」





7
(もう怖くない)
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