Mr.Wonder

□78
1ページ/1ページ







「海だ!!バカンスだ!!!」

「そんな肌晒すな!!」

「んぎゃ!やめて!」


スタメン+ショーゴくんで海に来たけどショーゴくんは最後まで嫌がった、征ちゃんがいるからとかなんとかって。怖がり過ぎ。

んで今ビキニになって泳ごうとしたらにじむーに止められた挙句にじむーのパーカーを着せられた。


「スク水で充分だろ」

「変態かよ!!!!」

「……ビキニはねぇだろ…」


顔を赤くしちゃって…


「……逆にこの年で普通の水着の方が変じゃない?」

「……それも、そうだけどよ」

「アヒル口にしてもだーめ、楽しめないでしょ?」


アヒル口にしているからふにふにと触ってやると手を掴まれて「わかったよ」と言ってくれた。


「桃井とえりなは俺らから絶対に離れるなよ」

「はい!」

「うぇーい」

「えりな」

「ご、ごめんって…そんな殺気出さないでよ」


1人で探索しようと思ってたのにって思ってたのがばれたのか超睨まれた。怖い怖い。


「そういえばえりなちゃんは日焼け止めはもう塗った?」

「んーん、まだ」

「塗って貰えば?虹村先輩に」


何でさつきちゃんこんなに楽しんでるんだろう。すっごいにやにやしながら言うね。


「じゃあさつきちゃんはテツくんに塗って貰いな!ほら」


私が使ってる日焼け止めを渡してテツくんの方にさつきちゃんを向けるとポンと背中を押した。


「テツくーん!さつきちゃんが日焼け止め塗って欲しいってー!」

「あ、はい。いいですよ」

「ちょ、ちょちょちょえりなちゃん?!」

「にっじっむー、私にも塗って塗って!」

「あ?…ったく、そこに寝ろ」


征ちゃんが持って来てくれたパラソルとか置いてあるところに寝ころんで背中を塗って貰う。

気持ちいい…


「ねーえ、にじむー?」

「なんですかー」

「浮き輪乗りたい、深いとこいこ」

「おー」

「日焼けすんね」

「ちゃんと塗らねえとな」

「うん」


隅々まで塗って貰ってからでっかい浮き輪を持て海に入ろうとすれば黄色い声が消えたけど無視した。超逆ナンされてたけどショーゴくんも超逆ナンされてたけどそれより私は海だ。

生温い海に入りたいのだ。わかるか?


「夏にやられて温くなった海が私は大好きなのだぁあ!」

「はぁ?!おい、コラ!」


にじむーの腕を引っ張って海に飛び込む。


バッシャーン


「くっそっ…海水飲んだっ…てめ!」

「気持ちいいね!」

「沈ませるぞ」

「有罪!!」


ある程度深いところまで歩いて進んで行ったら抱っこしてもらって浮き輪に乗っけて貰った。


「ぷかぷかー」

「気持ちいいようで何よりだ」


誰もいないような所まで押して泳いでもらって、後は浮き輪に全体重かけて捕まればいいだけ。

ぷかぷかしてて、いい気持ち。


「海好きなのかよ」

「塩素臭くないしね」

「潮くせーだろうが」

「後ねー」

「ん?」

「……何処までも続いてるから好きだよ」


私の世界とここの世界は続いてないけれど、それでも世界中どこの海とも続いているから好きだよ。


「………それは」

「え?」

「…俺らにも、言えることか?」

「………修造…?」


な、にを言っているの…


「…悪ぃ、何でもねーよ」


そう言ってくしゃっと頭を撫でると少し悲しそうに笑った。


「それより、今日何食う?かき氷も食いてーよな」


どうして、話をそらすの?

寂しそうな悲しそうな顔をしているのに、どうして…



「しゅうz」

「えりちんー!!ビーチバレーしよー!!」

「!」


浜辺から聞こえる、むっくんたちの声


「おー!!今戻る!!」


答えられずにいれば、代わりににじむーが答えた。


「……」

「戻るぞ、えりな。」

「……」

「えりな?」


私が俯いていると頬を撫でて無理矢理顔をあげようとするから、そのまま抱き付いてキスをしてやった。


「ンだよ…どうした?」

「……腹いせ?」

「は?」

「私がにじむーに秘密にしてることがあるから、にじむーも私に秘密にしてるの?」

「…そういうわけじゃねーけど…」

「じゃあどういう事なの!」

「………わかった、明日…お前の家行くから、時間くれ」

「………?」





…………明日?






7色と海
(どうしたらいいんだろう)
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ