Mr.Wonder

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「えりなっち!どうしよう!俺、緊張してる…!」

「どんまい」

「どんまい??!!」


それはすなわち、重圧。

帝光の選手は優勝以外許されない。

ほとんどの客にマスコミは優勝を期待しているし、万が一負ければ非難されるんだろうね。

負けは論外で、苦戦だって駄目。

最強だからこそ、のし掛かる重圧は想像を絶する。


「これには凡人も天才も大差ねーぜ。クソ重いギブス着せられているようなもんだ」

「……」

「ンだよえりなまで緊張してんのか?」

「んーん…違うよ」

「?」

「期待を重いって思うなら」

「…」

「器じゃない。それだけ。」

「……えりな…」

「でもそれがいいよ。期待に何も感じなくなれば、全てが終わるから」

「重い、退け」

「やーだ」


にじむーの背中に体重をかけてもたれ掛かる。

来年は期待を踏みにじるのかと思えば笑ってしまう。期待は背負うものなのに、踏みにじってしまえば声援はただの雑音になってしまう。


「折角、声が届くのに」


声が届いても、受け取る人によって変わるのかな。

試合は少しミスが目立ったけど征ちゃんとにじむーの慎重な試合運びのお陰で順調に勝ち上がって、リーグ戦 全勝 決勝トーナメントに進出を決めた。

そして、彼奴が姿を現した。


「おーい青峰」

「おお!久しぶり!元気にしてたかよ?」


上崎中の井上。

彼が、大輝がおかしくなってしまう殆どの原因だ。


「なーに怖ぇ顔してんの」

「!」


後ろから肩を組まれた。


「玲央くん?!」

「よ、俺の中学も無事決勝トーナメント進出」

「おめでとう!」

「ありがと。ね、紹介したい奴いるんだけど」

「紹介したい奴?」

「うん、こいつら」


そう言って指をさしたのは


「……へぇ」


無冠の五将


「木吉鉄平」

「木吉鉄平だ、よろしくな」

「葉山小太郎」

「よろしくね!かーわーいー!やっぱ帝光中は可愛い子多いね!」

「根武谷永吉」

「よろしくな」

「そして、花宮真」

「花宮真です。よろしくね。」

「俺と小太郎と永吉は同中で他はバラバラ。でも俺らって無冠の五将って呼ばれてるから何かと集まることとか多くてなー。それで仲良いんだよ」


そうそうたるメンバーだねぇ。

交流があるってのは知らなかったけどまぁ想定内かなー。


「夢咲えりなです。よろしくね!」


にしても、花宮真って無冠の五将の前でも猫被ってるんだ。


「ねぇ、玲央くん」

「ん?」

「花宮くんっていつもあんな感じ?」

「んーん、いつもは性格悪い。えりなが可愛いから猫被ってんの。な、マコちゃん」

「ぶっ飛ばすぞ」

「猫被るの下手か」


やっすい挑発に乗り過ぎじゃないかな?!


「猫被らなくていいよ、マコちゃん」

「あ゙?それやめろよ」

「ヤダ。私、本当は真面目くんよりイケメンが苦痛に歪む顔の方が好きだったりするんだよね。」

「はぁ?」

「クソ真面目に面白いコトなんて何もないと思ってる。」

「…同意見だ」

「仲良くしよーよ!マコちゃん!!」

「……勝手にしろ」


悪い人なら玲央くんがマコちゃんとつるんでるわけないし、本当はいい人なんだよ。

あ、私が苦痛に歪む顔が好きは本当。ショーゴくんが痛みに耐えてる顔とかゾクゾクしちゃうよね。


「えりな!」

「にじむー」

「あ、修造」

「実渕か、お互い頑張ろうな」

「ああ」

「じゃあ決勝トーナメントで。えりな、アップが始まるから来い。」

「はーい、じゃあね!」








気合いの入っている、大輝


足が地についてないような感覚の私






───狂う、準備なら出来た






7色と無冠の五将
(本当に正しいのか)
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