Mr.Wonder

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「寝 て し ま っ た !」

「……いいんじゃねぇの」

「良くないよ!ショーゴくぅん!」

「……何で」

「枕投げしたかった!!」

「…家でやれば?」

「家はベッドじゃん、枕投げと言ったらオフトゥンでしょう!!!」

「知るか!!!オフトゥンってなんだよ?!」

「オフトゥンはオフトゥンだよ!!折角ショーゴくんの顔面に枕ぶつけてあげようと思ったのに!!」

「何しようとしてんだよお前は!!!寝ろ!!!!」

「喧しいのだよお前ら!!!!」

「あ、おはよう真ちゃん」


おはようございます。3日目の朝です。朝の6時です。本当は8時起床です。

…昨日にじむーの背中で寝たままで目が覚めたのが今だった。因みにお風呂に入った後だったし、着替えてたからいいんだけどね。枕投げしたかったよね。


「今からしちゃう?!」

「しねぇよ!!寝ろ!!」

「んぎゃ!痛い!!やめてにじむー髪の毛引っ張らないで!痛い痛い!」


隣で寝てるにじむーが髪の毛を引っ張ってオフトゥンの中に戻す。酷い、髪の毛引っ張るのは酷い。痛いよすっごく痛いよ。


「寝ろって言われてもな…」


10時間以上寝たから眠くないんだけど…。ちょっかい出す?殺されそうだからやめようかな。んーっと…朝ごはんでも作ろうかな…


「えりな、布団から出たらシバくからな」

「何故だ」

「疲れてんだから休め」


10時間以上寝て、まだ休めとな。すっごい長い休憩ですね。


「昨日のえりなすっげー可愛かったんだぞ」

「は?」

「俺の手を握って離さねぇし、寝かせてどっか行こうとしたら『行かないで』って愚図るし…」

「な…な…」

「もっとあるぞ、他にh──」

「もうやめてくださいお願いします。」

「言われたくないなら寝ろ」

「ハイ」


そんな記憶ないんだけど…!
何それそんなことしたの?子供なの、子供なのか私は。何これ超恥ずかしい。

仕方ないから寝たフリを2時間続けた。

午前8時、起床


「朝ですよぉおおおおおみんなあああああおおおおきいいいいてえええええええ!!!!!」

「うるせええええ!!!」

「にじむーおはよう」

「えりちんおはよう…おやすみ」

「まいう棒没収」

「おはよう、えりちん」

「おはよう」

「喧しいのだよ…貴様のせいで最悪な朝なのだよ…!」

「わかったからおは朝観ようねー」

「おはよう、えりな。元気だね」

「おはよう、征ちゃん!まぁね!」

「おはようございます、」

「おはよう、テツくん。寝癖直しておいで」

「お前ほんっっとに元気だな。あれからちゃんと寝たのかよ…」

「ゴロゴロしてたよ。にじむー今日もイケメンだね」

「はいはい」

「聞けよ」

「えりなちゃんおはよう!今日も可愛いよ!」

「おはようさつきちゃん。今日も胸でかいね」

「ぐぅ…が…ぁ…」

「ぐぅー…」

「起!き!て!!」

「いってええええ!」

「いってー…」


枕で顔面殴ったら2人とも飛び起きた。


「おはよう」

「枕投げ出来てよかったな」

「投げてないんですけど、投げるって意味知ってる?ねぇ知ってるのショーゴくん」


私の知ってる枕投げは顔面殴らないですね。


「ご飯作ってくるー!」

「おーパンなー」

「ご飯がいいのだよ」

「フレンチトーストがいい〜〜はちみつたっぷりの〜〜〜」

「見事にバラバラですね、ありがとうございます。」


仕方ない、頑張りますか。


「俺、フレンチトーストって言わなかったっけ」

「食パンなかった。ごめんね」

「うー…まぁいいや…いただきます」


食パンが綺麗に無かったから朝は日本食になってしまった。ごめんね。…でも昨日余ってたのに…なんでだ?


「食パンなら俺が全部食った」

「お前か!!!!」

「朝っぱらから何回叩くんだよ!!!」

「ショーゴくんが全面的に悪いと思う!!」


素直に起きないし食パン知らない内に食べちゃうし…クッチャクチャ言わせて食べるな汚い!!


「ショーゴくんそれ童貞っぽいし絶対モテないからやめな」

「おう、やめるわ」

「素直か」

「モテると思ってた」

「厨二病早く卒業しようね」


中2のときにどんな厨二になるかってそうぞうしたら吐き気したのでショーゴくんのことは私の目が黒いうちは見張ることにした。


「ご飯食べ終わったらすぐ練習始めるからなー」


割とにじむーって鬼畜だよね。

ってことで練習して3時間後。


「これで今回の合宿は全て終了する!」

「お疲れっしったー!!」

「みんな、お疲れ様ー!!」


初めての合宿が終わった。これで最後の合宿だ。…次はない。2年になればショーゴくんはバスケ部を退部するし、にじむーはスタメンを外され、主将をやめる。

どんどんみんなの仲は悪くなるし、大輝は才能を開花させる。

……ああ、寂しい。

大丈夫、また来れるまた集まれるよなんて言い聞かせたって、寂しいと思うし苦しいとも思う。


「えりな」

「んー?」

「…俺たち全員ずっと一緒だ」

「…!」

「心配すんな、な?」

「…うん」


ずっと一緒、か。

一緒にいたいな…

みんなと一緒に…またこうやって泊りに行けたらいいな。


「このまま私の家でどんちゃん騒ぎでもするか!!」

「ノった!!」

「流石大輝!いっくぜーい!!」

「ツイスターゲームしようぜー!」

「そんなのないわ」

「黒ひげ危機一髪」

「うちになんでもあると思うなよ」

「人生ゲーム!!」

「それだ!!!その後に枕投げ!!」

「お前はどんだけ枕投げしたいんだよ!!」




7色と合宿最終日
(幸せな日々が一秒でも長く…)
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