Mr.Wonder
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「…あ」
「え…」
「…………灰崎殺す」
「えりなが俺に口移しかァ」
「ショーゴくんニヤニヤすんなキモい童貞臭プンプンする」
「まじお前こんな時でも歪みねぇな!」
「崎ちん覚悟はいい?」
「くじなのになんでシバかれんだよ!!可笑しいだろ!!!」
口移しする相手を決めるくじの神様はショーゴくんを選んだ。よりによってショーゴくんかぁ、怖いなショーゴくんと口移しとか、盛りそうで。いいんだよ?やっていいんだよ?けど、盛んなよ?
「こらこら、人の家でショーゴくんシバかないの、やるなら外で」
「やるなよ!!!!」
「じょーだん。で、どれにする?」
「あ?」
「口移しするやつ!」
「は?お前マジで灰崎と口移しすんの?」
隣にいるにじむーがすっっっごく低い声でそう言う。そう言われましてもね?バレンタインのノリじゃん?そんなおこしないで?
…あれ、なんでそんなおこなの?
「まぁいいじゃん、ほらショーゴくん」
「…じゃあバナナで」
「ななななな!バナナだと!!ひ、卑猥なのだよ!!」
「変な妄想すんな!インゲン!!」
「インゲン?!」
やり辛くなるだろうが!
バナナをチョコレートタワーに突っ込んで、舌の上に乗せる。
あっま…
「ん…」
歯で軽く押さえて、ショーゴくんの頬に手を添える。ショーゴくんの顔を軽く上に向けさせれば、膝立ちをして少しずつ近付いていった。
恥ずかしいとか、やりたくないとかはない。けれど、にじむーがよかったなーなんて。
「うわあ、えりなっちー…」
「きゃああ!口移しだよ、ねぇ!口移し!」
「そそそそそんなもの見たくないのだよ!」
「崎ちんととかまじねぇーわ」
「えりなちゃん…」
「えりなに同情するぜ…」
「ふむ、えりなは案外大胆なんだね」
「そこッスか?!」
後、少し…
グイ…
「ん…?!」
「はぁ?!に、虹村、さ…」
「主将やるね〜〜〜」
ショーゴくんとキスする寸前で、腕を引かれてにじむーとキス。そのまま舌が入って来て、バナナを取られた。
「…に、じむー…」
「…ん、ごちそーさん。」
「ちょ、な、何やってんだよ?!」
「あ゙ぁ?!テメー何かとキスさせられっかよ!」
「ひでぇ!!」
私、何回にじむーとキスするんだろう。しかも、嬉しいとか。
…待って、私、にじむーのこと好きなの?いやいや、ないわー…。5つも年下だよ?犯罪だわ。うん。
「えりなっち!アーンはみんなにあるンッスよね?!」
「え?あーやろうか?」
「えりなちゃん私にもー!」
「まずはショーゴくんね」
そこから順番にアーンをすることになった。ショーゴくんが可哀想だからショーゴくんから。
「はい、ショーゴくん。アーン」
「あー…ん…美味い」
「ごめんね?」
「別に」
このツンデレ具合が可愛いんですよ、誰かわかりませんか?伝わりませんか?別に私だけ知ってればいいですけどね?嘘です。
「むっくん!アーン!」
「あーん…ん…ちょ〜美味し〜、えりちん大好き〜。お返しは俺特製ケーキにするね〜」
「やった!」
むっくん天使かよ。
本日4回目。
「征ちゃんあーん!」
「ん…美味しいよ、えりな。お返しは期待しててくれ」
「何か凄いものが来そうで、怖いです」
「ふふ、それはお楽しみだ」
超高級そうなのをくれそうで怖い。本気で怖い。いらないです。
「テツくんアーン。」
「ん…これは美味しいですね。ありがとうございます。」
可愛い。普通の反応をどうもありがとう。
「真ちゃん、あ──ん」
「や、やめるのだよ!じ、自分で食えるから近寄って来るな!!!」
「とっとと食べて!!」
「う…あ、…ん…う、うまい…。が恥ずかしいのだよ…」
ウブ過ぎて最早めんどくさいわ。
みんなやってんのにさ…
「大輝あーん」
「あー、ん…うめぇ…。お返しはマシュマロでいいんだっけか?」
「マシュマロくれた暁には命はないと思え」
「は?!」
「お返しには意味があるんだよ?クッキーは『貴方はお友達』で、キャンディーは『貴方が好きです』…マシュマロは…」
「マシュマロは?」
「…『てめぇなんか嫌いなんだよ』です」
「青峰くん最低です」
「青峰くんさいってー!えりなちゃんになんてものあげようとしてんのよ!!!」
「峰ちん、死ぬ準備出来たら教えて。一発KO狙うから」
「やめろ!!!ホワイトデーといえばマシュマロだと思ってたんだよ!!本当の意味知らなかったんだよ!」
「大輝がえりなちゃんを嫌いだっていいます、どう思いますかにじむー」
「殺意が湧きますね」
「はぁ?!ちょ、まじ、虹村サンこっち来ない、ぎゃああ!!」
「さつきちゃんアーン!」
「あーん!おいひい!」
結論:さつきちゃんが一番可愛い
虹色と口移し
(誰かとキスとか冗談じゃねぇ)