Mr.Wonder
□04
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「あー‥えっと‥どちら様‥、ああ、アル•サーメンのみなさんでしたか。」
「はぁ?!アル•サーメンってなんだよ!」
「漫画読めば?」
「は?」
いやいや、とぼけてはいないんですけど。
今なにしてるの?と言われたら正直に言います。
わかりません。
朝学校に来たら机の中に手紙が入ってて読んでみたら“放課後、屋上に来なさい”と書かれてあった。
いや、お前誰だよ、ていうか放課後は講師として補習しなきゃいけないんですが。とは思いつつも心当たりはあったし、素直に屋上へと向かった。
勿論涼太には用事があるから先に行っててと伝えてある。
「‥‥とどのつまり、私が涼太と仲良くしてるのが気に入らない、と」
「当たり前でしょ!私たちのことは、あだなで呼んでくれないのに‥!」
「それは‥涼太に言ってよ‥」
私が呼んで♡って言ったみたいじゃないか、やめてくれ。シャララわんこが勝手に呼んでるんだよ。
「それに‥アンタの家に泊まったらしいじゃないの‥何したわけ。」
何で知ってんの、怖すぎ。
「何って?」
「セックスしたかって聞いてんだよ!!」
はあ?中学生頭大丈夫?沸いてる?つーかあのシャララわんこもう童貞じゃないの?きめぇ。やっぱ股間再起不能にするべきだったかな。
「してないけど‥?」
「‥本当に?」
「‥‥してたらどうすんの」
「‥それなりに覚悟してもらうけど?」
「へぇ‥」
本当に中学生大丈夫か。セックスして自慢でもしたいわけ?
「結局どーなんだよ!」
「いっ‥!」
いかにも性格悪そうな女がイライラしたまま私を突き飛ばし、尻餅をついてしまった。
いってぇな‥
「何すんのよ‥」
「アンタがはっきりしねぇからだろうが!」
「モデルの黄瀬涼太としか見てないアンタらに答える筋合いないンですけど」
「はぁ?!」
「やめな」
リーダーっぽい人がキレやすい天パを止めて一歩前に出る。私はリーダーさんの方が性格悪そうに見えますけど、てかこの人たちってさ同い年に見えないンだけど‥先輩?まぁ先輩なんてこの学校にいないけどね。
私、大学生ですもの。
「ねぇ、貴方‥涼太の補習の講師なんでしょ?」
「‥そうだけどー?」
「だったら頭、良くしてくンない?」
「いやーそれはちょっと無理かなー」
「何で?」
「バカだから。」
「それが問題なのよね‥」
「?」
「かっこ良くて、なんでも出来るのに‥頭悪いとか、あり得ないンだよねぇ‥しかも運動部入ろうかと思ってるらしいじゃない。勘弁して欲しいわ‥」
「‥どうして?」
「はぁ?そりゃあ完璧なイケメンで居て欲しいからよ。運動部に入って汗臭いとか以ての外。」
「‥‥‥本当にモデルとしてしか見てないのね。」
「何が言いたいのかしら‥」
「私の知ってる黄瀬涼太はね。アンタの思ってるような格好良さなんて全然持ってないの。バカだし、犬だし?モデルとしてしか見てないアンタたちには一生見せない素顔だろうけどね!」
いつか言ったあの言葉。
──「羨ましいンス‥」
バカを言い合える関係を、モデルじゃないありのままの自分を見せられる異性の友達が欲しいのだと。
涼太のことなんて別にどうでもいいけど、なんだか今のはむかっときた。
「‥涼太はね、アンタたちなんてお呼びじゃないのー。お前らが消えろ。」
「っ‥目障りはテメーの方なンだよ‥!」
リーダーが手を振りかざす。
嗚呼、殴られるのか。年下に?
冗談じゃない、身の程を弁えろ、クソガキ。
「何やってんだ、杉下ァ」
尻餅をついたままどうやって回避した挙句やり返そうか考えていた時。誰かがリーダー(杉下というらしい)の腕を後ろから掴んだ。
「に、虹村‥っ…?!」
「誰の後輩に手ェ出してンのかわかってンだろうな。」
「にじむー‥なんで‥」
米神に青筋をたてギリッとリーダーの腕を掴んだまま離さないにじむー。
「青峰の様子見に行ったら、オメーがまだ来てねぇって言うから、探しに来た。」
「‥‥ごめん」
「立てるか?」
「うん」
そうか、結構時間経ってたんだね。そりゃ探しに来るか‥
リーダーから手を離して私に近寄ると起き上がらせてくれる。そのままスカートに着いたゴミを払って「大丈夫か」と聞いてきたので頷くとクシャと頭を撫でてくれた。
「っ‥虹村‥!‥お願い黙ってて‥!」
「あ゙ァ?!」
「ひっ‥」
「自分が何やったのかまだわかんねぇのか‥。寄ってたかって後輩に‥」
「だって、この子が‥!私の涼太に!」
「ちょっとリカ!涼太はみんなの物でしょ!」
「涼太ァ?」
「涼太は私の‥!」
「うるせぇぞテメーら!」
「汗臭ぇバスケ部員は黙ってろ!!」
5人の女は涼太は誰の物か喧嘩を始めた。
醜い女の争い‥やだやだ。というか最後の台詞は聞き捨てならないね‥
「‥‥‥‥お姉さんたち。にじむーってね、バスケ部の主将さんなんだって。」
「はぁ?知ってるわよそれが何?」
「えりな‥?」
「‥‥バスケ部は敵に回さない方が身の為だよ。」
「‥は?」
「最終通告よ、涼太に嫌われたくないなら今すぐ、にじむーに謝ってここから立ち去って」
「‥っ‥何様‥!」
「‥2度、言わせるの?」
流石にカチンと来たので出来る限りの目力で睨むと怯んで一言にじむーに謝ると凄い勢いで去って行った。
「はぁ〜〜!つっかれた〜!」
「‥‥お前、ありゃ一体どういう意味だ?」
「んー?あぁ‥運動部に入りたいらしくて、涼太が。バスケ部の可能性もあるからさー」
「‥ふーん」
「にしても最近の中学生って考えること全部厨二病じみててこわーい。」
「‥‥‥」
「‥?‥にじむー?」
「‥今日は帰れ。あいつらの面倒は俺が見ておくから。」
「え?!いいよ‥大丈夫だよ?」
「いーから帰れ、」
「わかった‥」
「送ってやれなくて悪いな。気をつけて帰れよ」
「‥うん。」
「じゃ」
また1回クシャと頭を撫でるとそのまま屋上を出て行こうとするにじむー。眉間にしわ寄ってんぞ。
「にじむー」
「あ?」
「ありがと!」
「おう」
「それからにじむーはいい匂いするよ」
「うっせばか」
いじめは虹色が
(止めてくれた)