永久に約束
□て
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「好きだ……っ。好きなんだ……でも、五月が一番大好きなサッカーを五月が一番嫌いな不正で汚してしまったから……っ!」
分かってる。分かっているからその綺麗な蒼い瞳に透明な膜を張らないで。
「私も蘭が大好きで、蘭が大好きなサッカーを、胸が張り裂けそうな想いでやっているから、応援しているんだよ?」
そんな蘭が大好きなんだよ? 笑い掛ければ蘭の透明な膜は割れて塞止められていた塩水が溢れ出す。
目元が紅いところを見ると、私が来る前に泣いていたな?
「でもっ、五月はっ、俺のことなんてっ友達だとすら思ってないんだろ?」
「……あぁ、聞いてたの?」
「じゃあ、やっぱり、」
「『私は、蘭のことを友達だなんて思ってないんだ』でも、『好きな人』なんだ」
そういうことなの。と笑えば透明な硝子玉はよりいっそう勢いを増して流れた。
「じゃあ、好きでいても、あの約束を果たすのが俺でもいいのか?」
「蘭でいい、じゃなくて蘭が良いの」
「『俺と、結婚を前提にお付き合いして下さい』」
「!! ……『今は駄目。でも、大人になったら絶対結婚しようね』」
「覚えてた?」
「勿論」
私が蘭から離れなかった理由。
約束を破りたくなかった。
最初はそれだったけどすぐに分かった。私、蘭が好きなんだ……。
蘭が好きだから離れたくないんだって。
「好き、蘭」
「俺も、五月」
一生君を愛し続けます。