永久に約束

□言
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「蘭……」

 昔遊んだ優しい蘭は何処行っちゃったの?
 私が大好きだった蘭は……あぁ、そうか。

「私は、蘭のことを友達だなんて思ってないんだ」
 そうかそうかやっと分かった、と思った。
 その呟きを蘭が聞いていたなんて知る由もなく。




「蘭っ! さっきはごめ……ってどうしたんですか南沢さん。蘭は?」

 南沢さんがいるからてっきり蘭もいると思ったのに。
 そう言うと南沢さんは目を丸くしてそれはこっちの台詞だ、霧野は? と聞いて来た。
 知らないから南沢さんのところに来ているのに。それも分からないなんて馬鹿なんですか、死にますか?

「霧野……?」

 私の馬鹿にしきった目に気付かないなんて南沢さんらしくないですね、と言うと南沢さんは私を何とも言えない顔……激昂、呆れ、嫉妬、安堵、不安……。
 たくさんの気持ちが入り交じった顔で見ていた。

「五月お前、霧野が心配じゃないのか?」
「心配? 当たり前です」

 私には蘭が必要なんだから。

「霧野、お前を追っかけて行ったんだぞ?」
「え、蘭……?」

 なんだか怖い事が起こる気がした。
 私は蘭に会っていない。蘭ならすぐ私を見つけて帰るはず。
 昔から2人で一心同体のように過ごして来たから分かる。
 蘭、今何か苦しんでる……。
 私のせい……?

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