永久に約束
□と
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「神山、キモいんだけど」
ひっど!
唐突に何よ!
「有り得ない……。俺の隣りにこんなキモいやつがいるとか」
ふ ざ け る な
何なのよもう!
「言いたいことがあるならはっきり言ってくれないかな」
「別に」
本当に蘭のことが分からない。
私自身の事も――
「あれであいつはお前の事嫌いじゃねえよ」
「南沢さん……本当ですかねぇ……」
どう見ても私を憎んでいるようにしか見えない。
そう言うと南沢さんはどうかな、と言って笑った。
「もう……五月って呼んでくれた、仲良しの蘭とは違うんです!」
私はそう言って二人の元から走り去った。
「……なんで、」
「ばーか。なんで近くに大切なものがあるのに捨てるような真似を」
「違いますよ。俺は五月に好きになってもらう資格なんかないのに悲しいんです」
「……だったら、そういう事なんじゃねぇの?」
「え?」
「だーからぁ、人を好きになる、なってもらうのに資格なんか要らねぇって事じゃないのか?」
「っ! ……ぼっち沢さん、今日だけは感謝します。その想い無駄にはしません」
「なにを、」
聞いた俺の頬は涙で濡れていた。
「俺の五月のこと、好きになってくれてありがとうございます」
「……ばーか」
最後くらい笑って送り出してやるよ。
「大切にしろ」