永久に約束
□き
1ページ/1ページ
――好き、なんだろ?
さっき南沢さんに言われた言葉が頭の中で反響する。
好き? 誰が、誰を?
決っている。俺が、五月を。
そんなこと、言われなくても分かってるっつーの。南沢さんのばか。
「五月〜」
かちん。
五月になれなれしく触りやがって。
まじでムカつく。
俺だって優しくしたい。触れたい。その名を呼びたい。
でも、無理なんだ。
フィフスセクターに管理されたサッカーをやる俺にすら優しくしてくれたあいつが。
たまらなく愛しくて仕方が無いんだ。
あいつは誰よりも不正が嫌いなのに。我慢させて、怒らないでいてくれて。
俺はそれに甘えていた。
だから俺はあいつに優しくしてあいつと笑いあう資格がない。
それでも好きだ、五月。
「神山、キモいんだけど」
蘭なんて恋人みたいで勘違いするから。五月なんて呼び方。
すごく胸が苦しい。
自分で選んだ道なのに。
♪〜
誰だよ……。
名前をみて頭が痛くなった。
『メール:南沢さん』
なんなんだよ……。隣りに居るんだから直接……。
文面を見て俺は凍り付いた。
『ぐずぐずしてると、奪っちまうぜ?』
誰の事ってそりゃあ。
愛しい俺の五月。