永久に約束

□好
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 あの後、何故か私、南沢さん、蘭という奇妙な組み合わせで町を徘徊することとなった。
 え、徘徊はおかしい? いや、目的も無く歩き回ってるだけって立派な徘徊だよ。

「南沢さん、何で」
「いいから黙って付いて来い」

 強い口調で言われてしまったら言い返せなくて。
 暫く歩くと南沢さんがちょっと待ってろ、と言った。蘭と二人残される。

「蘭、」
「神山さあ……、俺の事一体何だと思ってる訳」

 え?
 私は質問の意味が分からなくて。
 だから正直に友達、と……ってあれ? 私にとって蘭ってただの友達だっけ?
 あれ? 何でこんなに違和感?

「何、早く答えてよ」

 つ、冷たい……っ!

「大切な、人」

 短い返答に蘭は少し表情を和らげる。いや、雰囲気が丸くなったのだ。

「神山、俺は」
「ただいま〜。あれなんかあったのか?」

 確信犯め……っ! 南沢さんのKY!

「別にないですよ」

 嗚呼、また蓋を閉じていく。待って、待って今すぐ追いつくから……。

「……南沢さんのばか」

 小さく呟くと南沢さんは何言ってんだ、と返し、

「お前が困ってたから助け船だしてやったんだろうが」
「……ありがとうございます」

 本当かどうかは怪しいが。

「霧野、……」

 南沢さんが蘭に何か言ったけれど全く聞き取れない。
 辛うじて分かったのは蘭の顔が紅いという事だけだった。

「南沢さん、何吹き込んだんですか」

 私がジト目で睨み付けると南沢さんは肩をすくめて

「べ〜つにぃ?」

と意地悪く笑った。
 くそぅ、絶対何かある!

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