笑顔=自分≠友達
□参拾:お片づけT
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「ねっ、君もそう思うでしょ、風丸!!!」
気づいたら私は風丸に助けを求めていた。
他の誰でもなく風丸に。
「ね!!??」
「あ、ああ……」
風丸の同意を得、私は更にエウドロスに言う。
「お願い、入来院は……」
「……分かった。お姉ちゃんの頼みだもんね。転生、させてあげる……」
「!!?? 私は、嫌よ!! もう家族なんていらない! 嫌!! 愛が欲しいの!!」
「……それはちゃんとやる。愛してくれる人、大切にしてくれる人を選ぶ、約束する」
エウドロスが必死に説明する。
楽しい生活を、楽しい人生を、人一人の大切な生涯を。
約束すると誓う。
「……信じて、いいのよね? 信じ、たい、信じさせて……」
「うん……」
入来院は、目を閉じた。
エウドロスが彼女を覆うように布のようなものをかぶせる。
「僕の力を布状にしたものだよ。大丈夫、これで君は……」
「……×××××」
「!! いりきいっ、」
「じゃあ、行くよ。3,2,1」
ぽん
「……終わった……の?」
人一人が消えるには余りにあっけなくて。
確認しなくては何が起こったのか分からなかった。
「そうだね。入来院は……もう大丈夫。愛される場所で彼女なりにずっと生きていくよ」
「そ……かあ……」
私の言葉を境に沈黙の時は続く。
それを破ったのも私だった。
「皆、さあ。今日は遅いしお開きにしない?」
鬼道君の家の無駄に高そうな壁時計を見て言う。