笑顔=自分≠友達

□弐拾捌:終わりと昔話と
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 はてさて。どうやって逆転します?
 私は一応MFの位置に入れられた。

「あんまり“僕”に期待しないでね、っと……」

 言いながら友人と、大嫌いなあいつと、相手チームに目を向ける。

「アフロディ、ヘラ……もうやめたらどうだ」
「何をだい?」
「……」
「全てさ。僕は君たちに傷ついてほしくないし、君たちを傷つけたくないんだ……!!」
「……試合が始まるよ」
「アフロディ……」

ピーッ

 キックオフのホイッスルが僕と相手チームを分けた。

「嫌いだ……争いなんて大嫌い……」
「隼音……?」
「争いなんて……人の笑顔を奪う争いなんて、絶対に認めない!!!!!!」
「隼音っ!!」

 誰の言葉も耳に入らなかった。
 ただただこの争いを終わらせたかった。
 誰かが傷つくだけの戦いなんて嫌なんだ。
 だから、走った。
 ただただゴール目がけて。

「『フェアリーウィング』」

 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
 絶対に負けられない。
 絶対に笑顔を奪わせたりはしないっ……!!
 DFなんてもう意味はなくて。

「『バードレジェンド』」
「『ツナミ……』うわああああ!!」

ピピー..

「一点、返した……よ……?」

 僕はそのまま意識を手放した。
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