笑顔=自分≠友達
□弐拾壱:表裏一体紙一重
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「なーにー? これ、ネズミ?」
私の靴箱にネズミの死骸があった。
灰色でぬれていて、泥も付いていて。
少し開いた目が恨めしそうに私を見ていた。
「そう恨むなよ。殺したのは私じゃない」
私が驚かないのに苛々したのかクラスメイトが私に声をかける。
「ネズミの死骸? きったねー!! あ、お前にはお似合いか! ははっ」
ネズミに失礼じゃないか。
そう思ってネズミ君を投げつけるとクラスメイトAは面白いように叫んでどこかへ行った。
ああ、面白い。
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珍しく、修練場に集まった皆。
たまには修練場もいいかな、と円堂が言ったのが始まりだ。
何故か鈴蘭までついて着ている。
皆が危ないと止めたのに『皆の応援をしたいの!』と言ってきかなかったのだ。
それで鈴蘭狂は更にメロメロだ。全く、わがまま王女様も大概にしてほしいものだ。
そして私は此処の散策中。
「ふいーっ。意外と大きいんだねえ。……これは、訓練しがいがありそ」
私は何故かここに来たことがないから。
「えっと、ここは……」
嗚呼、あの電気がびりびりーってやつか。
ちょっと挑戦してみよう。
私、なんだかんだ言ってあまり練習に参加してないし。
丁度、鈴蘭信者たちも参加するようだし、お手並み拝見。
――一時間後、
「はぁ、はぁ、っは、」
「……これ、結構楽なのね」
「なんちゅー体力なんだ、翔嵐は……」
何、こんなに楽なのになんで皆ぜーはーぜーはー言ってんの?
え、なに、体力がありすぎ?
……あ、そういえば私、エウドロスからもらった体力があるんだっけか。
でも、使わないとこれは鈍ると思う。
だったら使わなきゃ損!
「もっかい行ってくる〜」
「……あいつ、どうやったらあんな体力付くんだ……」