笑顔=自分≠友達

□拾玖:味方が増えましたまる
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「やっちゃったなー」
ポン
「折角二人が声をかけてくれたのにっと」
トンッ
「でもこうでもしないと二人とも悪者、じゃあないか、」
タンッ
「私一人ならどうってことないしね」
ダムッ
「あんな断り方しかできなかったのかよ私……!」
バンッ!!
コロコロ……



 ああ、今更少し罪悪感がわいて来たぞ((



「二人とも優しいから、落ち込んでないと嬉しいな」
 あ、殺気を感じる。
 多分この隠そうともしない殺気は、彼。
 まあいいや。どうだって。
 殴られても蹴られてもそこまで痛くはないから。

「そこに居るのは分かってるから出てきなよ。



――染岡君?」
「なんでわかった? 気持ち悪ぃな」
「おほめにあずかり光栄です」

 こんな人たちの前で自分の本音なんて出して堪ろうか。

「何? 殴る? 蹴る?」
「はっ、良く分かってんじゃねえか。なら――

 俺と手合わせを願う」
「……はぁ!!??」
「俺も、何人と喧嘩してきたか分からねえ。でも、お前は今まであった誰よりも強い」
「……手加減しないよ?」
「望むところだ」

 まあ染岡はプライドが高いからこうやって頼んできた以上、卑怯なことはしないだろう。
 だが、
 ど う し て こ う な っ た/(^q^)\

 嗚呼面倒くさい。

―☆―☆―

「はぁ、はあ……っは、」
「ごめん……喧嘩始めたらほんとに手加減できなかった」

 いや嘘だよ? かなり手加減したよ?
 だけどプライドの高い彼にはこれを言わない。
 かなり体力を消耗している染岡君にスポーツドリンクを渡す。
 一瞬驚きながらもにっ、と笑って染岡君は私の差し出したスポーツドリンクを、うけとった








だとおおおおぉおぉぉぉお!?

「……んだよその驚いた顔」

 ちょっと照れながら染岡君はスポーツドリンクを普通に飲んだ。

「……やっぱ、信じられなくなったんだよなぁ……」
「どしたの?」
「……鈴蘭のこと」

 答えてくれないだろうと思ったから答えてくれたことに少し驚いた。

「なあ、」
「何?」
「お前はさ、自殺とか転校とか考えてないわけ?」
「!! ……考えるはずがないよ」

 いきなりの質問に目を見開く。
 でも即答できた。

「なんでだ? つらいとか、ねえのかよ」
「……あるよ? つらいとか、苦しいとか。でもそれ以上に仲間がいるから。楽しいし、嬉しいことのほうが多いよ」
「それでも全校生徒から嫌われるのはきついだろ」
「うん、でも自殺とか転校って“逃げ”じゃん。私悪いことしてないし何より途中で逃げるのって負けみたいでかっこわるくない? いやもういろんな意味で負けてるんだけど」
「へえ」
「だから自殺とかは恥だよ。絶対にしない。生ゴミかけられても何があっても自殺や転校は一番嫌だ。――ってプライド高すぎだけど」
「いや、俺もなんとなくわかるから」
「tk鈴蘭信じられないってどういうことよ?」

 一番の鈴蘭狂に見えたんだけど。

「いや、信じたいけど、なんつーか……お前も信じたくなった」

 何これ和解フラグ? ktkr! この連載終わる、もしかして?

「何それ浮気?ww」
「調子乗るな」
「ごめんごめん。――で、なんで?」
「、お前のこぶしが真っ直ぐだったから」
「……女の子としてそれはどうかと」

 そういうと染岡は爆笑した。

「じょーだん。なんつーか……さっき、お前が鈴蘭をかばったように見えたから」

 なんだ、笑えるんじゃん。
 いかつい顔ばっかりだから笑えないのかと思ったよ。

「んじゃあ、君は鈴蘭よりの中立か」
「ん、まあそういうことになるな」
「うん、ありがとう。じゃーねっ」
「え、ちょっと待てって!」


(鈴蘭狂が一人)(減りました)
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