笑顔=自分≠友達
□捌:それはとても狂った物語
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私は関わっているから傍観ではないとはいえ、なるべく原作通りにお話を進めたいのだが。たとえば“決闘”はみんな止めに来てほしかった。
それは無理な相談らしい。
マックスと喋りながら帰っていると、河川敷で決闘、もとい勝負をしている。
「「「トライアングルZ!!」」」
え……???
皆が止めに来てからこの技じゃないの?
私は駆けだした。
「ストップストップ!! ……君たち、木戸川の人たちだよね? こんなところで実力を見せていいの? サッカー少年なら「正々堂々と戦え、だろ? 君、いいこと言うね」……二階堂監督?」
「あれ、僕のこと知ってるのかい?」
「ええ、まあ……」
横で西垣が無表情で見ていた。
ここで一之瀬たちと感動の再会のはずなのに。私は涙が出そうになる。
「はじめまして、西垣君。私は雷門中サッカー部の選手で翔嵐隼音っていうの」
「はじめ、まして……。どうして俺の名前を?」
「やだなあ、すごく有力な選手は頭に入っているよ。……で、君たちは」
そう言って武方三兄弟を見る。相変わらず嫌な顔。
「そう!」
「俺たちは!」
「武方三「バカ」兄弟!! ……ってえええ!?」
「どうしたの? 私、何か言った?」
「「「……その発言、後悔させてやる」」みたいなあ?」