笑顔=自分≠友達

□弐:えwあー納得です
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 そうかー。準決勝前まで進んでるんだ。
 んー。私も円堂たちと帰った方が……いや、どう考えても風丸と帰るべきだろ!ここは!

「「風丸」くん」

 あれ?今私と一緒に風丸を呼びとめたのは誰?
 バッと後ろを振り向くと見知った顔。

「入来院さん?」
「あーれー? 翔嵐さん?? どうしてこんなところに?」
「あの……私、サッカー部に、入ることにしたんだ!」

 気のせいだろうか、入来院からは殺気を感じる気がする。

「本当? 私もサッカー部のマネージャーなんだ!」

 え?
 え? 嘘だろ? 今日来てなかったじゃないか。
 まさか……な。

「今日なんかあったの?」
「あーうん。委員会があって……。音無さんたちにはお願いしておいたしね」
「そっかー」

 なら、私の勘違いかもしれない。

「おい、二人とも。俺になんか用事があったんだろ?」
「「あ、そうだ!一緒に帰ろう」よ」

 ……。

「三人で帰ればいいじゃないか」
「そうだよね!」「いやよ」
「「……」」

 入来院お前さあww

「KY乙ww」
「なんですって?」
「あ、ごめん、本音が……ww」

 入来院にギロッ、と睨まれた。
 おーおー、可愛い顔が台無しw
 ただでさえ可愛くないのにぃ、台無しぃww
 あ、HO☆N☆NEがでちまったw

 ふぅ、とため息をついて入来院を諭すように言葉をかける。

「あのさぁ、風丸が三人で帰ろう、私もそれに賛同。なのにあんただけの気分で三人ばらばらに帰るなんておかしくない? あ、それともそれもわからないおバカさんなのかな? 顔がいい子って多少おバカさんでも許されるもんね♪ ああ、いじめとかじゃないよ、ホ、ン、ネ♪」

「おい、隼音……」
「翔嵐さん……酷いよっ……!」

「あーごめんね? 女の子泣かせるのは趣味じゃないし、謝るよ。だから涙拭いてよ」

 しらじらしく涙を流す入来院に謝罪の言葉をかける。本当にいじめではない。ただ怒りの沸点が低いだけであって。
 女の子の涙って男にとって凶器になるからね。
 男の“娘”を泣かせる趣味はある←
 ほら、風丸がおろおろしてこっちを困ったように見つめてきた。
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