短編

□これが最初で最後の涙
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 サンタさんがくれた実弾入りのリボルバーを目の前に立つ君に向けた。
 君ならこの銃の種類、扱い方、特性などを良く知ってるんだろうね。
 この銃を復習に役立てようとするんだろうね。

 さよなら、陸太郎――。



「ごめん、ごめんね……陸太郎っ!」
「……×××、」


タンッ


 どうして、そんな優しい顔で笑ったの?
 私たちは最初から違いすぎてたから、もう駄目だよ……。
 さようなら、愛しい人――。


 もしやり直せるならまた二人で夏祭りの花火でも見に行こうか。
 それとも一緒に魔物退治をしようか。



 春にこの桜の木の下で出会った。「悪」、つまり魔物側の人間であった私と「正義」謎の美少女ガンファイターライダーキノ側の人間のきみ。

 それでも、良かった。
 好きになった。
 陸太郎じゃないとだめだった。


 人を撃つのは初めてじゃない。むしろ何回も撃ってきた。魔物も、練習に撃ってきた。でも、泣きながら撃つのは初めてかな。そう言って私は無理に笑った。
 お願い。悪いのは私なのにそんな優しい顔をするのはやめて。
 全部、私が悪いのに。


 春、不思議な少女、『木乃』のことを探りにこの学園の桜の木の下にいて。
 此処で君とであった。

 夏には二人でいろいろな所に出かけて、いっぱいいっぱい思い出を作った。
 野球の時はすごく応援したんだからね。

 秋の夜に一つになった……。
 二人はもう、離れないと思ったのに。

 冬のこの夜、全てに終わりを告げた。
 君にも、私にも、あの人にも――。

 撃鉄を起して真っ直ぐに伸びていた指をゆっくり曲げながら私の指は小さく震える。
 私は最後に言った。

「ごめん」

 きみは最後に

「×××」

 と言った――。


 心配しないで。すぐに会えるから。
 ずっと一緒にいようっていつも言ってたもんね。

 私は指を曲げた。

 陸太郎が倒れているのを見て、私の頭に銃口を突き付けながら陸太郎が最期に言った言葉を繰り返した。

『愛してるよ』

 銃声が響いた。




―――
 いやー、悪ノP様の『悪のリボルバー』が秀逸すぎてつい……←

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