a short story

□The act goes up again.
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 痛い。
 痛い。怖い。痛い。怖い。怖い。
 怖い。痛い。怖い。痛い。痛い。痛い。痛い。怖い。痛い。痛い。
 助けて、
 ………マイ
「……ぁ!」
 ウキョウは薄い唇を朱に染めて、悲しいほど澄み切った星空に今ににも皮膚が剥がれそうな手を伸ばす。
 手は感覚が麻痺し、顔に重力に従って落ちた血が顔にかかる。
 綺麗に手入れされたうぐいす色の長い髪は、ウキョウの叫びを飲み込むかのように赤黒く染まってきていた。
「………」
 彼女の代わりに死ぬのは何回目だろう、とウキョウは遠のく意識の痛みと恐怖を堪えて考える。彼女自身の幸せを考え、これでいいのだと思っていてもやはり死ぬのは本当に怖いし痛かった。
「マイ……あ…て、る」
 闇に沈む視界。呟いても聞き取りづらい声。
 体の痛みとは違う痛みと、苦しさとウキョウは耐えきれず、一筋の涙を流した。

「……願いを叶えられるまで帰れない」

 脳内に響く無機質な声。彼にとっては、この計画に無くてはならない残酷で優しい神様。
 自分の中で無理矢理納得しても、頭の片隅では求めている。
 いつになったら、彼女は。
 いつになったら、彼は。
 ―――…二人で幸せになれるだろうか。

 そしてまた繰り返す。
 幸せを、探して。
「…うん。そうだったね」
 世界の狭間で痛みを伴くなったウキョウは、ニールに意識を任せ、再び違うもうひとつ世界へと足を向けた。
 透き通った黄緑色の瞳から頬に伝う涙に気付かずに。



The act goes up again.


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