inzm

□反対です!
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 最近のオレには、一つ悩みがある。

「不動さんのデリカシーなし」
「音無のやかまし」
「つるつる」
「テンパ」
「目つき悪い」
「エセ眼鏡」
「エセモヒカン」
「んだと」

 オレの妹の春奈は、どういうわけだか不動明王に突っかかるのだ。最初はオレと不動の仲の悪さを案じ、オレの味方をしてくれているのだろうなんて優しい子なんだ春奈と思っていた。
 が、不動との誤解も解けた今、それでも春奈は不動に突っかかる。というかむしろ最近の方が多い気がする。気がするだけで違う気もする。(いやね、うん。気にし過ぎだとは思うんだ、自分でも。春奈のことになるとオレは周りが見えなくなる質らしくてな。)

「不動さん、その髪がない所は禿げてるんですか」
「うるせぇこれはおしゃれだ」
「へぇ、すっごいおしゃれ!誰も真似出来ませんよそれ」
「音無、お前の眼鏡はなんで頭にかけてあるんだ?目がそこにもあるのか?」
「うるさいなぁこれはおしゃれです」
「レベル高けぇなお前のおしゃれは。オレには真似出来そうにない」

 両者含み笑いで一歩も譲らない。やめてくれ、お願いだからやめてくれ春奈。そして春奈にそんなに近付くな不動、不動!お前オレが春奈の兄だって忘れてないか!(オレの勘違いでないならば、これは恐ろしい事実である。ホント口に出すのも恐ろしい。)

「…春奈、」
「あ、お兄ちゃん」
「おー鬼道くん」
「2人して何を話してたんだ?オレも混ぜてくれ」
「え、どうしたのお兄ちゃん。なんだか顔色悪いよ?」
「大丈夫だ春奈、なんでもない」
「無理すんなよ鬼道くん」

 そう、オレが辿り着いたある一つの恐ろしい事実とは、(ああおぞましい!現実になったらどうしよう、と嫌な汗が背中を伝う。)
 ごくりと唾を飲み込んで喉を潤し、尋ねることは一つしかない。ゆっくりと、慎重に。オレの勘違いだって可能性もあるんだから。(むしろその可能性にかけたい。ああ心配なんかして損した、自分の判断能力も鈍ったものだなぁはははって、言いたい。お願いだから言わせてくれ。)

「…春奈は最近、やけに不動と仲が良いな」
「、っな!?な、何言ってるのお兄ちゃん!私と不動さんは喧嘩ばっかりなんだよ!?仲が良いわけないじゃない!」
「そうそう、鬼道くん疑う相手が違うと思うぜ」
「…そうか!そうだよなぁ、ははは」
「だいたいオレが音無みたいなガキ相手にするわけ…」
「、ガキで悪かったわね!…不動さんのバカ!大っ嫌い!!」
「は?あ、おい、音無!待てって!」
「…あ…」

 ぽつん。

 あれ、なんで春奈と不動は行ってしまったんだ?なんで春奈は泣きそうだったんだ?なんで不動はあんなに焦ってたんだ?
 もしかしてもしかしなくとも、嫌な予感しかしない。背中をじんわりと濡らす汗が不快で、イライラして焦りがつのった。
 駆けて行った2人を追いかけるわけにも行かず、その場で佇むオレに周りからの視線が痛いほど突き刺さるのは自意識過剰ではないだろう。(あの円堂までが不憫そうにオレを見ている。そして佐久間、お前少し笑ってないかおい、笑ってるだろう!)
 そんな時、落ち込む肩をぽんと叩かれる。相手は言わずもがな、だが。

「…妹離れ、だな」
「豪炎寺…」
「オレなら許さないが。…お前はどうするんだ」
「オレは春奈が幸せなら、…幸せ、なら…」

 いつかは春奈にも大切な人が出来るだろうことは分かっていた。こんなに早くなるとは思わなかったが。相手があれ(不動)になるとも思わなかったが。

「…とりあえずは、」

 (ああ春奈。元気いっぱいで優しくて、ちょっと照れ屋ではにかみ屋さんの春奈が離れていく。…ああ春奈!オレの春奈が行ってしまう!)(そんなのやっぱり無理だ!)

「…とりあえず、は…」









反対です!
(お兄ちゃんは認めないからな!)
(清い交際からしか認めないからなぁぁぁあ!)


*

すぴかさんリクエストの不春、のはずなんですが…どうしてこうなった…!
すぴかさん本当にすみません(´;ω;`)
こんなgdgdになってしまって申し訳ないです…

書き直しとか絶賛受付中ですので!いつでも言って下さい(>人<;)

ではではすぴかさん、リクエストありがとうございました!
また遊びに来て下さると嬉しいです^^

20110707 いもこ

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