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□さよなら恋心
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銀ちゃんを好きだと思うこの気持ちが恋だと気付いたのはついこの間、彼が結婚を決めた直後の事だった。我ながら驚く程鈍い、そして遅い。
今さら気付いたって遅いんだよバーカ、旦那はもうお前の手の届く場所には居ねぇんでさぁ、さっさと諦めなせぇとかなんとか言って、誰かさんが私を馬鹿にしてくれないだろうか。(いっそその方が楽なのだ。何もかもなかった事に出来る機会があるのなら、私はそれに喜んで飛び付くのだから。)
「銀ちゃん、おめでとうアル」
「おう、あんがとな」
ポンと私の頭に手を乗せて、そのままぐしゃぐしゃと乱暴に撫でて、ヘラリと笑って。
それだけの事なのに、嬉しくて切なくて愛しくて、泣きそうになった。(ねぇどうして?どうして私じゃないの)
いつだって銀ちゃんの隣に居たのは、私だったのに。姉御じゃない、確かに私だったのに。
「銀ちゃん、」
「なんだ?」
「私、銀ちゃんが好きアル。」
「、」
あぁ、どうしてだろう。
消してしまえるのならば消してしまいたい。こんなに苦しくて息も出来ない気持ち、本当は知りたくなどなかったのだ。
(酢こんぶ食べてサディストと喧嘩して定春と戯れて、その方がずっとずっと、)
「大好きアル、銀ちゃん。…姉御を泣かせないでネ、そんで幸せになってネ、…絶対アルヨ。」
「…おう」
(楽なんだから)
ボタボタと涙が零れる。それはまるで痛む心を癒やすように優しく優しく、そう、銀ちゃんのように優しかったのだ。
愛しいアナタ、伝えない想いを心に抱えて私は笑うから、(どうか笑っていてちょうだい。私の好きな、優しい笑顔で。)
さようなら、私の恋心。
*
銀←神です。銀ちゃん結婚ネタ、しかし銀妙は微妙という…(笑)
まぁそれは私が銀神好きだからなんですけどね。
沖田が出てくるのは、きっと心のどこかで沖田に救って欲しいと神楽が考えているからではないかなと´`
20110615