reborn

□あなたの隣
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 私の事が嫌いですかと聞けばううんそんな事ないと言うくせに、(ならばどうして)

「ツナさん、今度一緒に遊びましょう」

 にこりと笑って彼に問い掛ければ、自然と逸らされる視線と微笑みそして気まずく止まる一瞬の空気。それは彼が否定したくともその優しさから私を拒絶出来ないでいる事を如実に表している。
 だから私は付け加えて言うのだ、「京子ちゃんや獄寺さんも呼んで、みんなで」と。
 すると彼は助かったような、それでいて憧れの少女と遊べる事を喜び天にも昇るような面持ちで微笑む。(そりゃないだろう、なんてね)

いつだって「みんな」。

 愛しい人よ、私と二人で遊んだ事が一度もないのを知っていますか。
 私はいつも一直線のように思われていますが私は貴方の気持ちなんてとっくに知っているから、引き際くらい心得ています。
(断れない、だけど行きたくない。)
(傷付けたくない、だけどずっと守れはしない。)

 知っています、知っていますそんな事。だからこれが私なりの譲歩なのです。

「みんなで、」

(ならば愛しい人)





(私の位置はどこですか)


 嗚呼、パズルのピースが一つだけ足りないように祈る。もし一つだけ足りないのだとしたら、きっとそれは私が持っている一欠片のはずだから。(そうすればきっと私は泣かないですむの、見つかった居場所には「みんな」が居て、貴方の隣に私は居なくて、彼女が微笑んでいるだろうから。)





 私の事が嫌いですかと聞けばううんそんな事ないと言うくせに、ならばどうして、



(私の事が好きですかと聞けば黙ってしまうの、愛しい人よ)





その沈黙が、何よりも痛いのに。

*

完全なるハルの片思いです。あの台詞、解る人には解ると思いますが私の大好きな「満/月/を/さ/が/し/て」から頂きました←
めろこ大好きです。

20110615

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