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□照れているのは君だけ?
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 いつから、と聞かれてももう覚えてない。ただ、たぶん幼い時から惹かれていたんだと思う。あの蒼く澄んだ空色の瞳に。

「玲名、好きだよ」
「うるさい黙れ」

 ボクの日課は玲名に愛の告白をすること。最低でも一日一回は言うようにしている。返事は毎回のごとく芳しくないが、ボクの長所は諦めの悪いところだから気にしない。

「お前は毎日毎日…飽きないのか?」
「うん、だって玲名が好きなのは本当のことだし」
「…私はお前のそういう所が嫌いだ」

 そっぽを向いた玲名の頬は桜色に染まっていて、純粋に綺麗だなと思った。彼女の空色の髪と瞳によく似合う、桜色。

「ねぇ知ってる?好きの反対って何か」
「は?そんなの決まってるだろう。私のお前への想い、『嫌い』だ」
「ははは、残念ハズレ」

 にこやかに笑って言えば玲名の眉間にはみるみるうちに皺が寄り、不愉快極まりないという彼女の気持ちをよく表していた。(ボクは彼女のこういう表情も好きだ。もちろん笑顔が見れるならそれが一番だが、ここ何年かボクは彼女の笑顔を見ていない。)

「好きの反対は嫌いだ」
「違うよ」
「違わない」
「ふふふ、玲名は意地っ張りだなぁ」
「黙れ変態!」

 どうやらボクは彼女を怒らせる天才らしい。彼女と3分以上まともに会話したことってないもの。(でもね、ボクは知ってる。人形みたいに無表情で意志のない存在になるくらいなら、怒ってる方が何倍も素敵だってこと。)

「…お前は私を不愉快にさせる天才だな」
「えへへ、ありがとう」
「褒めてないから喜ぶな、気持ち悪い」
「玲名知ってる?そういうのって、嫌よ嫌よも好きのうち…ってあはは冗談だよ冗談」

 本気で怒りそうになった玲名を見ながら、たぶん照れてるんだろうなと自分勝手な解釈をした。(そして、たぶんこれはボク以外誰も知らない。)

「好きの反対は無関心なんだって」
「だからどうした。私がお前を嫌いなのに変わりはない」
「嫌いでもいいよ、玲名がボクを嫌った分だけ、ボクが玲名を好きになるから」
「…お前は究極の馬鹿だな、ヒロト」
「えへへ、ありがとう」
「褒めてない!」









照れているのは君だけ?
(そんなまさか!ボクだって照れてるんです。)

「好きだよ玲名」
「ウザい!」


*

ヒロ玲です。好きですヒロ玲。たぶん立春と同じくらい萌えてます。私はこういうヒロ玲が一番好きです。
玲名ちゃんはデレなんかなくていいんだ!←
ヒロトを罵りながらも真っ赤になってる玲名と、罵られながらもニコニコしてるヒロトが大好きです。変態ですみません^w^

20110615

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