リボーン 短編集

□悪いのは貴方
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好きだよ、そう言えば決まって飛んでくる蹴り
今日も綺麗だね、そう言えば必ず頬に手形がつく
なかなかバイオレンスな女だと思う
好きだよって抱きしめただけで上段蹴りだし、綺麗だねって頬にキスしたくらいで平手打ちだなんてバイオレンス以外の何物でもないと思うんだ

たまには君からの熱烈な愛が欲しいよ!

「付き合ってるわけでもないのに、そんな事できるはずないじゃないですか」
「じゃあ付き合って」
「嫌です」

書類、ここに置いておきますね

そう言って持っていた封筒をテーブルの上に置く彼女
そのまま部屋を出ようとするから、つい本音が出る

「ここにいて」
「仕事が残っていますので」
「………」

ドアノブに手がかけられる

「……ボスの命令がきけない?」
「………」

彼女は小さくため息をついて近くのソファーに腰かけた
心底面倒だとでも言いたげに眉を寄せて、書類のチェックが終わるまでですよ、そう言った

どうしようもないな

素直に頷きテーブルの上に置かれた封筒を眺める

「………ねえ、一つだけ僕のワガママきいてくれる?」
「嫌です」
「キスしたい」
「………」

呆れたかな

そっと視線を彼女に向ければ、予想通り先程よりも深みの強まった眉間のしわが見えた

ごめん、これしか君を引き留める術を知らない



キスなんていらないから、せめて愛してると言って
嘘でもいいから




(気づかない貴方が悪いの、だって机の中には見られたら恥ずかしくて死んでしまいそうな内容のラブレター、好きだとか愛してるだとか、口に出してなんて言えないの、だけどそのまま気づかないでいて、まだ気づかないで)


(090408)

何だよ両想いじゃねえか!なオチが好きです






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