精霊の守り人 短編集

□年の差
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まさか俺がこのような…なんて口に出して言うつもりはないが思わずにはいられない
何故って、おかしいだろ!
十七、八の娘に恋など!
有り得ない有り得ないと何度も心の中で否定してみせても、実際に会うとそんな事出来ない程に胸が焼けるように熱くなる
皇子も無事帰還し弛んでいるに違いない!
何としてもこの気持ち、悟られるわけにはいかない!
仲間内には特に…!
そういったものには厳しそうに見えてなかなか寛大なお頭や妻子持ちのゼン、いやお頭もそうだが、この二人はともかく他の連中にだけは…!
ユンは見た目通りの女泣かせで遊び人、幼なじみのヒョクにはバレてもさして問題はないが気恥ずかしい、スンに至ってはこの変態がと罵られるに決まってる
俺は変態じゃない
ライとタガはどうだろうか、常識人ではあるが何せヒョクとスンの相方だ…

「タイガ様?」
「ッ!」

それなのにどうしてこういう時に限って現れるんだ!

「知り合いか?」
「あ、ああ」
「お嬢さんいくつ?」
「お、おい…やめ…」
「今年で15になります」

まさかの展開!

ジンはとりあえず硬直し冷や汗を流す
隣には私服で遊び人の雰囲気が上がったユン
年を尋ねたまま動かないスンはゆっくりと振り返り満面の笑みで言い捨てた

「この変態が」
「ち、ちが…」
「……やはり…嫌ですよね…こんな子供…」
「え、あ、いや…」

そんな事はない年の差など関係ない、珍しく気の利いた台詞を言おうとしたらユンが代わりに言ってのけた

「そんな事はない、むしろそこがコイツのツボらしい」
「ユン!」
「そうですよ、むしろ年の差に燃える変態なんです」
「ち…ちが…!」

変態じゃない!
そう言おうとしたのにまたしても遮られた
今度は彼女に

「本当ですか!嬉しい!」
「………」

何だか上手くいってしまったようだ

ユンを見れば何だ残念とでも言いたげに微笑み、ヒョクに至っては物好きですねなんて本人目の前にして呟いている

しかしそんな穏やかな空気も彼女の一言で凍りつく

「でもごめんなさい、私本当は26なんです」
「………」



……え?



わ、若いな…よく言われますこれで一つ問題は解決したな、あとは年上との付き合い方だ、薬草師にでも聞いたらどうだ?聞いてきた方がいいですよ、何せロリコン野郎がいきなり年上とお付き合いするんだからね俺はロリコンじゃない!では熟女が好みですか?だあぁあああぁぁあッ!ああ言えばこう言う!






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