ギャグマンガ 短編集

□生きる理由
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「死こそ永遠を約束された自由なの、生きとし生ける者皆平等に与えられた自由、誰にもその領域を侵す事は赦されないし出来ない事よ、私は死ぬ為に生まれてきたの」


彼女の言う事ははっきり言ってよく分からない

死ぬ為に生まれてきた?

ならば生きる為に死ぬのか?

死んだ後はどうなる?

意味が分からない

私の理解の範疇を超えている

ただ一つ分かるのは彼女が死にたがっているという事だけだ


「こんなにも死を望んでいる私がどうして自らの命を絶たずに何年もこうして生き永らえているのか…それはとても簡単な事なの、永遠の自由を手に入れたと同時に永遠の束縛を余儀なくされるからよ」


自由を手に入れる為にはそれなりのリスクを背負わなければならない


「神様は意地悪ね」


そう言って哀しげに微笑む彼女

分からない

彼女が何を考えているのか


「私は自由を手に入れる代わりに束縛されるのだけは嫌よ」

「なら…どうしたいんだ?」


つい聞いてしまった
聞かずにはいられなかった

自分でも可笑しな事を聞いたと思う

すると彼女は予想通り妖しい笑みを浮かべて言い放った

その微笑みに相応しい台詞を

無意識のうちに私は彼女と同じように笑っていた


「足掻いてやるわ、死んだって生きかえってみせる」




とんだ矛盾だよ



死を望み束縛を嫌う、自由を欲し神に逆らう、彼女ほど複雑な人間はいないと思うんだ






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