リボーン 短編集

□Contratto..
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「六道、骸…ね…」

手元の資料を眺めながら目の前の扉をノックする
数回ノックしても一向に返事は返ってこない、慌てて扉を抉じ開けると不機嫌そうな顔をした男が一人、窓の外を眺めていた
視線をこちらに向けると一瞬意外そうな顔に変わりすぐにまた不機嫌なそれに戻る

「………まさか女性が来るとは思いませんでしたよ」
「は?」
「白蘭もなかなか酷い男だ、これでは殴りたくても殴れない」

自嘲気味に微笑む男、六道骸を見て思った事がある

「……随分と、綺麗な目をしているのね」
「………変わっていると、言われませんか?」

そしてもう一つ、疑問に思った事がある
渡された資料には書いてなかったが、資料を渡された時に忠告を受けていた

彼ね、捻くれ者だから返事は期待しない方がいいよ

ミルフィオーレのボスにそこまで言わせるのだからと覚悟して来たのにこれではまるで拍子抜けだ

「綺麗だと言われる事に関してはとても嬉しいのですが、これこそ僕が憎むもの」
「………」
「……貴方の方が綺麗ですよ」

そして今度はこちらに体を向けて呟いた

「白蘭が何を考えているのかは知りませんが、これはいい機会だ」
「え?」



「 Vuole fare un contratto di me? 」












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