Short 1

□在るということ
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5月17日。本日のキラ様は大変ご機嫌ななめであります。




ザフト軍基地のとある執務室にて、赤服シン・アスカは苦悶の表情を浮かべていた。
そもそも彼にとってこの日は久しぶりの非番で、本当であれば今頃存分に惰眠を貪っているはずだったのである。
それが何故、このような状況に陥っているのか。
それは今朝方5時47分まで遡る───…






────AM5:08────

激務から雪崩れ込むように自宅へと帰宅したシンは、扉に鍵をかけたその瞬間に意識を持っていかれた。いくら軍人といえども、3日間完徹はさすがに堪える。それもこれもすべての元凶はあの白服上司様にあるのだが、そこは割愛しよう。

ともかく、彼の身体はとうに限定を越え、それからはまるで電池が切れたかのようにぴくりとも動かず熟睡していた。








────AM5:46────

突如として響き渡った甲高い音にシンは飛び起きた。これが目覚ましや着信音であったならば彼の眠りを妨げるようなことにはならなかったのだろうが、軍人の彼にとってそれは反応せざるを得ないものだった。



そう、それは緊急事態を知らせるアラートだったのである。


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