Short 1
□君の傍に
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「ねぇアスラン、生まれ変わったら何になりたい?」
それは、自分にとって比類なき愛しい彼からの、あまりにも唐突な問いかけだった。
“君の傍に”
情事の後の甘い雰囲気の中、俺の恋人ーーーキラはいまだ興奮の冷めやらぬ熱の籠もった瞳をこちらへと向けてきた。
あんまり見つめるものだから、キスでもしてくれるのかな?という甘い期待を抱いていた中で先程の問いかけだ。
多少がっくりとしてしまうのは許して欲しい。
それにしても………。
「また唐突な……なんでそんな事訊くんだ?」
そう逆に問いかけると、キラは形の整った眉を顰め、俺を軽く睨みつけてきた。
「質問に質問で返さないでよ。で、どうなの?」
「どう、と言われても……」
質問がいきなりすぎて、パッと頭には浮かばない。うーんとしばらく唸っていると、キラが大袈裟に溜め息をついた。
……いくら何でも恋人に対してその溜め息はないんじゃないだろうか。しかも訊ねてきたのはそっちだろうに。
「キィーラァー?」
攻めるような些か不機嫌な声音で呼ぶと、キラはごめんとすぐに謝ってくる。
「じゃあさ、僕の答え教えてあげよっか?」
「キラが生まれ変わったらって事?」
「うん。」
少し、いやかなり興味があった。
二度の戦争を経て、否が応にも変わってしまったキラ。その彼がこんな話をするのも初めての事だし、常に死と向き合って生きているキラが何と答えるのか、俺は固唾を飲んで待ち続けた。
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