Short 1
□飲酒は程ほどに
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『久しぶりにみんなで集まりませんか?たまには仕事を忘れて飲み会というのもいいでしょう?』
そんなピンクの歌姫ことラクスのひと言から始まり、話は広がりに広がり、ついには首脳会談という名の“飲み会”がここプラントにて実現化した。
会談なんて微塵もする気がないくせに国の古狸たちに、
「プラント最高評議会議長に呼ばれている。あとのスケジュールの調整は頼んだ」
などと言ってさっさとプラントに飛び立ったカガリは余程執務にうんざりしていたのだろう。
それを止めなかったアスランも同罪とは言えるがやはり彼もひとりの男。
愛しいひととの約数ヶ月ぶりの再会となれば、自由奔放な国家元首殿を止められなかったのも無理はないだろう。
漸くして実現したこの“飲み会”だったが、皆がみな失念していた事に気付く者は何者もなかった。
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「「かんぱーい!!」」
皆が手にしていたグラスを傾け、一気に飲み干す。若干一名激しく咽せている者がいたが、そこは彼の恋人が背中をさする事で解決。
「ぷはーっ!久々の酒はうまいな!!」
「えぇ、本当に。こうして皆で集まるのもいつぶりでしょうか…」
口の端を拭うカガリと上品
にワインの入ったグラスを傾けるラクス。
他にも、何故かオーブからついて来たシン、通常勤務を放っぽり出してきたホーク姉妹やディアッカ。
果てにはイザークまでもがいる始末。
当然、カガリの護衛であるアスラン。そして先ほど激しく咽せたザフトの白服キラもいた。
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