短編

□JUNE BRIDE T
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――カランカラン……


船内部に設けられたチャペルの鐘が静かに時を告げる。

ゆっくりとバージンロードを歩き、近づいて来るのは今日から俺の妻になる紗菜。

白いウェディングドレスが揺れるたび彼女の美しさが際立つようで俺の心臓が高鳴る。


「やべぇ……なんかわかんねぇけどすっげぇ緊張する……」


そんなことを思っている間に紗菜が俺の横に並び、神父が俺達に問いかけ、誓いの言葉が交わされる。


「それでは誓いのキスを……」


神父の言葉に紗菜の方を向き、徐にベールをゆっくりと上げれば薄く朱く染まった頬の紗菜と目が合って大きく心臓が跳ね上がった。

そんな様子の俺に気づいたのか紗菜がにっこりと笑って小さい声で言う、


「チカちゃん、もしかして緊張してる?」

「うっせぇ……だまってろ」


少し照れながら投げやりにそう言って俺は静かに自分の唇を彼女の唇に重ねた。


「ヒュー♪お似合いだね!お二人さん!!」

「よっ!日ノ本一っ!!」


……多少外野が煩い様な気もするがそれはまぁ、気のせいだろう。



***



こうして順調に式は続き、いよいよ式は終わりに近づいてきた。


「それでは皆様、ライスシャワーへと移りたいと思いますのでお手元に用意されているお米をお持ちになってデッキまでご移動お願い致します」


係員の指示に従って甲板へと移動する俺達。

全員の移動を確認し終えたところで係員が言う。


「それでは新郎、元親様と新婦、紗菜様の御家の繁栄を願いまして!!」


その掛け声と同時に俺と紗菜の頭に来賓達からライスシャワーが降り注がれる。


「おめでとう!!」

「ありがとな!!」


祝福の言葉に返事をしながら通り過ぎる俺達。

すると……、
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