短編

□鬼の宝
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ある日のこと。


「野郎共っ!!今日は船出の準備で買い出しに行くぜ」

「ついて行きますぜ!!アニキ」


アニキ……こと俺、長曽我部元親は船出の準備のため市場に食糧の買い出しに出かけようとしていた。


「でもアニキ、最近市には毛利軍の輩が出入りしていると聞きますぜ?」


毛利――……毛利元就か。最近の毛利は俺のシマまで出向いて軍備集めをしているらしい……。

が……市の者によれば髪飾りや櫛などを買っているという話も聞く。

女物を一体何に使ってんだ?

まあ毛利が何しようと知ったこっちゃねぇけどな。


「俺が毛利の奴なんかに負けるわけねぇだろ?それに買い物ってだけで何するわけでもねぇんだ。むしろ俺のシマが儲かるってもんよ」

「そうですね!!さすがアニキっ!!」


アニキ!!アニキ!!と叫ぶ声を背に俺は市場へと向かうのであった。
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