短編

□B
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私と伊達ちゃんの奇妙な勝負。その勝負は私がキスを拒んだことにより私の勝ち。

そう思っていました……。


「If he had been there,I would have enjoyed the party……」


今は伊達先生の英語の時間。

伊達先生は教科書を読みながら通路をゆっくり歩いていく。


「んじゃ、P.47の練習問題を各自やれ」


その伊達先生の指示でみんな問題に取り組みはじめる。

私も問題をやり始めていると……スッと私の横に人の気配。

見上げると伊達先生が立っていた。


「てこずってるみてぇだな紗菜」


いや……別に……。

そう思っていると伊達先生はもう既に問題の説明をしていて……。こうみえて伊達先生の説明は結構分かりやすい。


「……だから……って聞いてんのか?」

「……あ!!はい」

「ならいい、ほらやってみろ」


伊達先生に説明されたとおり問題を解いてみると……あ、簡単に解けた。


「やれば出来るじゃねぇか」


そう言うといきなり伊達先生は顔を耳元に近付けてそっと囁く。


「ご褒美にいいことしてやるよ……」


――キーンコーン……


そんな伊達先生の囁きは授業終了のチャイムに遮られて……伊達先生は私から体を離すと教卓に戻り礼をかけ授業は終わり。

そして私は顔を真っ赤にしながら早足に教室を出たのでした……。

一人の人物が後を追って来ていることも知らずに……。



―Cへ続く―
 

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