短編

□Teacher please@
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バサラ学園……ここは私、紗菜が通う高校で私はこの2年5組の生徒。

そして今は英語の時間なんだけど……。


「えーっと……突然だけど前の英語の先生が体調を崩したのでしばらく新任の先生に来てもらうことになった」


え……突然そんなことがあるんだ……なんかドラマみたい、なんて思う私。


「それじゃ入ってください。“伊達先生”」


……ん?……あ!?


あまりのことに言葉を失う私。なぜなら……私の目の前に立つ新任の先生は……、


「今日からお前らに英語を教えることになった」


すらすらと綺麗な文字で黒板に自分の名前を書いていく新任教師。



その人は……、



「“伊達 政宗”だ。よろしくな、Maybe?」



その人は私の彼氏でした。



「ちなみに伊達先生はこのクラスの副担任もやってもらうからみんなよろしくな」


そんな……なんで!?なんで伊達ちゃんがここにいるの!?

そんな私の困惑をよそに彼は私のほうを見るといつもの得意そうな笑みを浮かべるのです……まさに私は今、ドラマのような現実に直面していたのです……。



***



昼休み、当然のように新任教師、そして私の彼、伊達政宗は男女問わず(……結構女子が多い気がするけど)の生徒に囲まれていました。

私が言うのもなんですが彼は結構ルックスがいい。

綺麗な黒髪と瞳、引き締まった肉体はがっちりしているのに腰は細く華奢な印象もうけ、瞳はすぅっと切れ長でまるで猫のよう。

しかし、その瞳の片方は眼帯で覆われているのです。

彼は幼いころ病にかかり右目を失いました。

その隻眼のせいか彼は他の人にはない人を引き付けるなにか不思議な力を持っていました。

そんな彼が女子にモテないはずはなく……


「先生、先生♪先生は彼女とかいるの?」

「先生、今日一緒にカラオケ行こうよ〜」


……とまぁ、大モテです……。

そんな女子に伊達先生はというと……、


「うるせーな…ギャーギャー騒ぐなよ」


はい、教師とは思えない発言!!……彼はあまり言葉遣いがよろしくない人なのです。(coolと言えば一言ですむのですが……)

しかし……、


「キャーそこがまたカッコイイ♪」

「先生付き合って〜」


それもまた黄色い歓声に変わってしまうのでありました。


「はぁ……」


ため息をついていると、


「おい、紗菜」


頭上から聞き慣れた声が。

顔を上げると伊達ちゃんが私の顔を見つめていました。


「伊達ちゃ……じゃなかった伊達先生、どうかしたんですか?」


一応この学校内では私と伊達ちゃんは生徒と先生。恋愛などご法度中のご法度です。

ましてやこの関係がばれることなど赦されないのです。


「なぁ、今日の晩飯なんだけどよ〜」


いきなり法度破りキタァ――!!!!


「ちょっと先生!!来てくださいっ!!お話がっ!!」

「なぁ!?おい、ちょ……」


集まる生徒達の視線の中。ズルズルと伊達先生を引きずって私は教室から出ていくのでした。



―Aに続く―
 

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