短編

□教師失格
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あれから3日たった日の放課後。俺は1人校舎裏に立っていた。

政宗と慶次、2人の協力のおかげでこの校舎のまわりには生徒はおろか、教師もいない。


「こっちこっち!!」


……と向こうから2人の女子生徒が走ってくる。


「何があるの?……って長曽我部先生!?」


驚いた顔で俺の目の前に立つ三雲。

んじゃ、あとはお2人で!と沙羅は少し楽しそうに去っていった。

戸惑っている紗菜に俺は切り出す。


「突然すまねぇな……実はお前に話したいことがあってよ……」


俺は……、


「俺は、お前のことが好きだ」

「えっ……!?」


突然の俺の告白にさらに戸惑っている様子の三雲。


「でも……私……生徒で……長曽我部先生は……」

「そんなのは関係ねぇんだ。俺は教師とかじゃなく長曽我部元親としてお前が好きだ……紗菜」


しばらくの沈黙の後、彼女がゆっくりと言葉を紡いだ。


「私も……先生が好きです。だから……」


よろしくお願いします……と恥ずかしそうに言う彼女。俺は思わず彼女に抱きついた。


「大事にする……絶対お前を悲しませねぇから。俺が紗菜を何がなんでも守る……」



***



俺は教師失格だ。

なぜなら1人の生徒に恋をしたからだ。

でも俺は後悔していない。

なぜなら俺は自分の気持ちに嘘をつかず、突き進んだからだ。

だから俺は……。


「チカちゃん」

「おぅ、紗菜」


今、幸せなんだと思っている。



END
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