短編

□教師失格
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で……。


「お前生徒に一目惚れかよ」

「やるねーチカちゃん」


俺が相談したのは政宗と慶次。


「そんなにおちょくんなよ!こっちはマジなんだからよ……ってか猿飛も……って、あ……」


これは秘密だから言わねぇほうがよかったか……。


「猿飛はあいつはあれだ、変人だからしゃぁねぇんだよ。春にはもう付き合ってたしな」


なっ……!?


「変人とか佐助かわいそうじゃん。いいんじゃない恋してんだから。政宗は佐助のことが嫌いなだけでしょ」

「……っと、待てお前ら」

知ってんのか?……そう聞くと、


「何言ってんの?チカちゃん、俺達が知らないわけないじゃん」


うんうんと政宗もうなずく。マジかよ……。

どうやらこのメンバーで知らなかったのは俺だけらしい。


「……で?お前はどうすんだよ」


本題へと話を戻す政宗。


「どうって……それがわかんねぇから相談してんだよ……俺は教師だしよ……」


あのな……と俺の言葉を遮る政宗。


「教師のお前に聞いてんじゃねぇよ。俺はお前自信はどうしたいのかって聞いてんだよ」


そう言うと口ごもる俺。そんな俺に慶次が、


「あのさチカちゃん、教師とか以前の問題でこれはチカちゃんの気持ち次第なんじゃない?……自分の気持ちに嘘はつけないよ。嘘ついたら俺は後悔すると思うけどなー。命短し人よ恋せよってね」


“自分の気持ちに嘘はつけない”

猿飛も同じこと言ってたな……。自分の気持ちに正直に真っ直ぐに……。

なのに俺は……このままでいいのか?教師って職業に言い訳して自分の気持ち隠して……。


「要するにお前、フラれるのが怖いから自分の気持ちに言い訳してんじゃねぇのかよ?」

「……っ!!」


……そうかもしれねぇな……。


「なぁ2人とも、ちょいと手伝っちゃくれねぇか?」


そう言う俺に2人はおう、と満足そうにうなずいた。
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