短編
□教師失格
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俺は教師失格だ。
どうして教師失格なのか……。
それは事もあろうか生徒を好きになっちまったからだ。
1ヶ月前はそんなこともなかった。
俺は教師としてきちんと務めを果たしていたし、そういうことはしちゃいけねぇとちゃんと割り切っていた。
そう、1ヶ月前までは……。
***
――1ヶ月前
「長曽我部先生」
後ろからふいに呼ばれた声に足を止め、振り返った。
ここはバサラ学園。俺、長曽我部 元親はここで世界史の教師をしている。
「長曽我部先生は日本史って教えることできますか?」
この一言がきっかけで俺の教師人生の歯車は狂い始めたのかもしれねぇ……。
***
翌日から日本史の教師が足りないという理由で俺は急遽、2年3・4組の日本史を担当する事になった。
「今日からお前らに日本史を教える長曽我部元親だ」
よろしくなと短い挨拶を済ませ、すぐに授業に入る。どこにでもあるような普通の学校風景……何ら変わりはなかった。
「よぉ元親、今日飲み行こうぜ」
「ぱーっとやろうよ、チカちゃん」
放課後、俺に話しかけてきたのは伊達政宗と前田慶次。こいつらは俺の教師友達兼飲み仲間だ。
「お前、日本史教えんだろ?グチ聞いてやっから来いよ」
「おぅ」
俺は2人に連れられ、飲みに行くことになった。