Phantom road

□episode 28
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「いった…!!」


アレンは涙を流しながら倒れた上半身を起こす。ルナは痛そうと思いながら顔を引きづらせている。


「移植って…いつ…」

「あ?あ―…ワルイがそこはまったく知らん」

「Σはぁぁああッ?」

「まて、大体はわかる。多分アレだ。やっこさんが死ぬ前だ」

「それわかんないんじゃん!!怒」

「ああ?ンだテメェ、ワルイつってんだろが!!トバせッそこは!!」

『「(アッバウト…)」』


ラビとルナは同時に同じことを思っていた。



「フン…オレだって半信半疑だったんだ。お前が現れるまではな。伯爵を殺そうとした奴の有様は地獄だった。マナとふたりでノアの一族と逃亡生活。

奴にとって“いつ”“ダレ”になんて構っちゃいられなかったんだろ。チャンスがあったときにたまたま手近にいた奴を宿主に選んだ。テメェの手で伯爵を殺したい一心でな」



「それが…僕…?」


「運がなかったな。移植された“記憶”は徐々に宿主を侵触し、お前を“14番目”に変えるだろう」


「……」


「兆しはあったろ?」


思い当たることがあるのだろう、アレンは落胆したようにぽつりと呟いた。


「なんだ、それ…。マナが、愛してるって言ったのは、僕か、それとも…どっちに…」


その姿はクロスが初めてアレンに出会った幼い頃のソレと同じだった。クロスは同じ目線に屈むとタバコを手に持ち言った。


「マナは“14番目”が死んだ日におかしくなった。過去を覚えていたかどうかもわからん。ただ外野で見ていた俺にはな。

…皮肉だな」



――こんな子供だったとは、



クロスはアレンの頭を抱き自分の胸に押し付けた。まるで自分の表情を隠すように。ルナはガラにもないその行動に少々驚きつつも見守っていた。


「宿主なんざもっとくだらない奴がなってりゃよかったのに…」


持っていたタバコをティムに食わせクロスは言った。


「“14番目”に為ったらお前は大事な人間を殺さなきゃならなくなる…って、言ったらどうする…?」





























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