Phantom road

□episode 28
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『アレン…?』

「ルナ!?なんで!?」

『アレンこそ何で…』


てっきりひとりで何かされるのかと覚悟していたルナは拍子抜けだと言わんばかりの顔をした。


「君達には今からマリアン元帥と話して頂きます」

『「は?」』


現われたのはルベリエ長官。シルとティムが二人の頭上を飛び回るなか二人は何とも言えない顔をしている。


『私って関係なくない…?』

「そうですね」

『じゃあなんで呼んだの?(怒』


若干…いや、かなり苛立った表情でルナはルベリエに問う。ルベリエはルナを嘲笑うかの如く両手を上げて首を振る。


『やっぱ私あんた嫌い』

「嬉しい限りです(ニコ」


この二人には色々あるのだろうとアレンは何も言わず見ていた。アレンもルナと同じように両手を拘束されていた。


「クロス・マリアン元帥がこの扉の先におられます。入られよ」


二人はシルとティムを連れて中に入った。そこは厳重に鴉の手によって隔離された空間が作り出されていた。


『(ラビ…?)』


そこには鴉達と同じように黒いマントを羽織ったラビの姿もあった。ルナはそれに目を向けながらも中に入り、アレンの少し後ろに立った。

シルとティムは当たり前のようにクロスの元へ飛んでいく。

そこでアレンは口を開いた。


「マナは“14番目”と関わりがあったんですね」

「ああ…“14番目”には血を分けた実の兄がいた。“14番目”がノアを裏切り千年伯爵に殺される瞬間までずっと側にいたただひとりの人物、それがマナ・ウォーカーだ」

『…』


ルナは何も言わずその話を聞いていた。ただその瞳は何かを心配するようにも見え、怯えているようにも見えた。


「師匠は…ずっと前から知ってたんだ…?」

「知ってたさずっと。オレは“14番目”が死ぬ時マナを見守り続けることを約束した。そうしていればいつか必ずマナの元に戻ってくるとお前がオレに約束したからだ、アレン。

いや?“14番目”」


その言葉にルナ以外驚いた。何故かルナだけは驚かなかった。それは心のどこかでアレンがノアではないかと感じていたからだろう。



「覚醒はまだだろうが自分の内に“14番目”の存在を感じ始めてるんじゃないのかアレン」


「Σはっ!?何いって…」


「とぼけんな。お前は奏者の唄を知っていた。それは奴の記憶だ。

お前は“14番目”の記憶を移植された人間。“14番目”が現世に復活するための宿主だ」



アレンは言葉を失ったかのように動かない。相変わらずルナは何も言わずただその様子を見守っている。



「方舟で奏者の唄を知っていたのも弾けないはずのピアノが弾けたのも“アレン”じゃない、全部“14番目”の記憶だ。

お前あン時あそこで何か見ただろ」



その言葉にアレンは反応せず固まっている。それえに腹を立てたのかクロスはアレンの前で大きく手を振り上げた。




























――バシンッ




























激しい音が部屋中に鳴り響いた。





























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