Phantom road
□episode 28
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<ルナ SIDE>
私はどこに連れて行かれるんだろ。カッコつけて行ってくるとか言ったけど正直どうにかされるのかもと考えたら腰が引ける。
この手の拘束さえなければなぁ…。
「何してやがる」
『…!』
声だけでわかった。誰が呼び止めたのか。
『ユウ…』
「そいつを離せ」
ユウはその鋭い目で鴉達を睨む。鴉達は若干ビビりながらも私とユウを近づけようとはしなかった。
「そこをお退き下さい、使徒様」
「うるせェ、ルナを離せ」
「それはできません」
「てめェ…「ユウ」!」
私は鴉とユウの間に入った。そうしないときっとユウは鴉を殴ってしまうと思うから。
『すぐに戻る』
「…ホントか?」
『当たり前じゃん(笑』
何があっても最後は必ずユウのもとに…なんてことを口にする程りっぱじゃないけど、笑顔を向けて安心してくれるなら何度だって笑ってあげる。
『いってくる』
「ああ…」
ユウが心配そうな顔をして私を見送ってくれた。
それにしても私は何故呼び出されたうえにここまで拘束されてしまってるのだろうか。まさかもう帰ってこれないとか…?
なんか、嫌な予感…
<ルナ SIDE 終了>