Phantom road
□episode 25
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「リナリーの足は検査したところ寄生型のような変化が見られませんでした。体内にイノセンスの反応もありません。
ただこの足に残った結晶…これは元はリナリーの血液だったものですが、今ではまったく別の金属組織に変わっているんです」
「なるほど…。血か。適合者の体の一部…」
『(血…)』
適合者の血が媒介となり発動する装備型の進化型。ルナは複雑そうな顔でそれを聞いていた。
「一応僕らでこれは“結晶型”と名付けた」
「その結晶型はリナリーだけにしかならにのか?」
「いや…断定はできないがおそらく他の装備型適合者にも起こる可能性は高い。今のところルナが一番可能性がある」
『!』
「ルナが…?」
「狙われてることもあるので今後は極力外には出さないでおこうと思う。病気の進行も思ったより進んでいるし…」
「でもルベリエがそれを許すんさ?」
「リンク監査官が掛け合ってなんとか」
「リンクが…?」
「彼女には借りがあるんです」
『…』
そんな会話に苦笑しながらもルナは小さく拳を握っていた。その行動は恐らく悔しいのだろう。
「本人がそれを納得するかだろ」
「私もそう思う」
「そうだね。アーネストに似て束縛を嫌う子だ」
「あの…アーネストって?」
元帥達の会話に出てくる名前に疑問を抱いたアレンは訊ねた。
そして周りにいる神田やラビたちも知りたそうだ。
「…シリル・アーネスト。ルナの師匠だ」
「ルナの師匠…?」
アレンの質問に答えたのはクラウド元帥。
「室長さんが来る前から元帥で失踪してたんだ。まぁクロスはいつもどこにいるか知ってたみたいだけど」
「師匠とシリルさんは知り合いなんですか?」
「その辺はルナに聞け」
元帥達は次々と答える。ルナはその場から姿を消した。
勿論部屋にも病室にも戻らず、ただ行く宛もなく教団を歩いていた。
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