Phantom road

□episode 17
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「無事だったのね…、よかった」

「ルナが無事ってことはユウ達も…」


ラビ達は小さな希望を抱き、ルナに目を向けた。だがルナは何も言わず首を横に振った。


「ルナが無事なのはティッキーが助けたからだよ〜vV」

「え…?」


自分にくっついているロードの言葉に驚きティキを見るアレン。


「ま、そういう事だ。残念だったな、少年」

「座りなよ」

「何を…」


ロードは扉を閉めてアレン達に言った。アレンは何も言わず言われたとおり席に着いた。

リナリーは神田とクロウリーがダウンロードに巻き込まれたことを聞き今にも泣きそうになっていた。


「聞きたそうですね、コレのこと」


アレンが見せたのは神ノ道化。


「実は結構衝撃的だったんだよね。確かに壊したはずなんだけどな」

「壊せてなかったんでしょう?ここにあるんだから」


ふたりは睨み合う。そんななかロードは言った。


「イノセンスに興味が出てきたのー?ティッキー」

「ちょっと出てきた。じゃあさ少年、ティーズに心臓を喰われても生きてたのはその左腕のせいなワケか?」

「!!?」

「心臓って…!?」

「聞いてねェぞアレン!!お前そんな傷負ってんのか!?」

「(黙ってたのに…)イノセンスの一部が心臓の一部になってくれてます、問題ありませんよ」

「(アレンも…ッ!?)」


ラビはアレンの言葉を聞いて驚いていた。それはイノセンスが適合者を救うのが異例だと考えているから。


「ロード、そろそろ少年から離れてくんない?」

「え〜!?愛してるのにぃッ!!」

「こらこらエクソシストとノアの恋は実らねェぞ」

「ティッキーだってルナのこと好きなくせに」

「オレは別だよ、なァ?」

『私に言われても…』


ティキは立ち上がると隣に座っているルナの頭をポンッっと叩くと再び口を開いた。



「オレね、千年公の終焉のシナリオっての?遊び半分で参加してたんだけどさ、やっぱ悪はそうでなくちゃなぁ。

うん、少年のおかげでちょっと自覚出てきた。

退治?本気でやんねェとなってのがわかったわ」



リナリーの側を飛ぶのは食人ゴーレム。アレンは自らのイノセンスでそれを壊した。



「ティキ・ミック。

ルナを助けたことは感謝してます。ですがもしこれ以上僕の仲間に手を掛けたら…僕は貴方を殺してしまうかもしれません」




――ダンッ




アレンは机の上に乗り、目の前にいるティキの下へ向かっていく。


「リナリー信じて。アイツは、僕が行く」

「少年のことは嫌いじゃないんだがな」

『ティキ…っ!』

「お前は約束を守れ、いいな?」

「どういうことですか!?」


組み合うアレンとティキ。

そして精神でロードと戦うラビ。

ティキの言葉に動こうとしたルナは止まった。そしてぎゅっと拳を握った。


「心配すんなよ、少年。ルナには一切攻撃しないって約束すっから」

「…何でそこまでルナの体に気を使うんですか?」

「そら気にするっしょ。好きな人なんだからさ」

「あなた一体…」


アレン達の戦いに激しさが増す。ルナはそれを見ていることしか出来なかった。





























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