Phantom road

□episode 17
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それから少しして泣き止んだルナ。

ティキ達を警戒することなく普通に馴染んでいた。ついにはこう言った。



『ありがとう…ティナと話す時間くれて』

「敵にお礼いうなんて変わりもんだな」

『でも…教団じゃきっとそうさせてくれなかったから、』

「…」

『泣いてる…?』

「そんなまじまじと見ないでくれる?」


ルナは突然涙を流し始めたティキやロードをじーっと、物珍しそうに見た。


「僕らが泣いてるんじゃなくてノアが泣いてるんだよ」

『ノアが…?』

「スキンがやられたのか…?」

「ううん、残った奴が僕の扉通った気配ないし…」

「相討ちか」

『相討ち…』


心配そうに眉をひそめるルナ。泣きながらそれを見るティキとロード。

そんな時、勢い良く扉が開いた。


「ロード!ティッシュあるー?」

『Σ!』

「おー、お前らの涙って黒いんだな」


あまりの恐ろしさにティキに抱き着くルナ。ティキはここぞとばかりに腰を抱きルナは逃げ場を失う。


「メイクが落ちたんだよ!!ヒッ!」

『ひ…?』

「てか何で姫様がいんだよ」

『そう言えば姫様って何?てか近くない?』

「姫様っつーのは、要はノアの王女的な?」

『私アクマだよ?』

「でも社長が造ったんじゃないんだよね、ヒッ!!」


涙を流しながらわいわい盛り上がる一同。そんな中でもティキは今だルナを抱いたまま。


「ティッキー!!いつまでルナと抱き合ってんの?離れてよ」

『ホントだよ』

「自分から抱き着いて来たんだろ」

『あんまキツいと傷痛い!』

「あ、悪い」


やっと解放されたかと思うと今度はロードが抱き着いてきた。


『…仲間や家族を大切に思うのって、ノアも一緒なんだね』































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